【知床半島一周】計画/装備~総まとめ編~

学生のうちにやりたかった知床半島一周.昨年から準備し始めてようやく目的を達成することができた.道中は8年間の山人生で培ってきた総合力を試され,まだまだ弱いなと痛感.なんとこのルート,速い人だと2泊3日で回ってしまうらしい…

今まで日帰りロングに逃げてサボってきた重荷のテン泊装備だとそもそも満足に動けない上に,潮の満ち引き,へつり,泳ぎ,熊との対峙…要所要所で最善の判断が迫られ厳しくも楽しい周回であった.岬に達し,きっちり周回してみて振り返ると久しぶりに強烈な充実感.歩いているときは足が痛い,肩が痛い,暑い等のしょうもない邪念で全く余裕がなかったもののまた行きたいと思うのは病気だろうか?あの孤島の織りなす鮮烈な景観や,ヒグマやカラフトマスなどの豊かな生態系にまた会いに行きたい.次は冬の知床連山スキー縦走か?(笑).

本編のリンクも貼っておくので是非ご覧ください.

【知床半島一周】1日目 ~ヒグマに怯える緊張の林道歩き~

【知床半島一周】2日目 ~泳ぎで無名崎を突破せよ~

【知床半島一周】3日目 ~秘境の知床岬に到達~

【知床半島一周】4日目 ~満身創痍!相泊にゴール~

知床半島一周のベストシーズン

結論としてはずばり7月~8月上旬でしょう!!潮位等の条件も合わせると好条件なのはほんの数日しかありません.

気温と降水量

気温的にはやはり気温の高い7~9月が活動しやすいのは間違いないだろう.特に降水量の少ない7月が勝率が高いと思われる.私たちは休みの都合上8月の上旬に計画することにした.特に注目して頂きたいのは最低気温.日が出るとそれなりに気温も上がり快適かもしれないが,泳ぎで始終濡れたままの行動や悪天候も想定するすると10℃代は流石に寒い.私たちの行程の4日間では,知床では珍しく30℃近くまで気温が上がり暑い中での行動となった.お陰で入水するのはもはや気持ち良かった(笑).

気象庁HPより参照

海水温

さらに重要なのが海水温だ.知床は断崖沿いに沿って泳いだりすることが多いので,生身で入水するのは避けた方がいいだろう.しかも長い区間では100m相当の泳ぎが強いられることとなる.私は中華のウェットスーツをアマゾンで購入して臨むことにした.上下で1万円もかからなかったのでオススメだ.ちなみにこの他のケースでは沢登り装備&ライフジャケット等で挑む方が多いようだ.改めて帰ってからグラフを確認すると異例の海水温にかなり救われていたことも分かった(笑).

追記(2021.8.20)

最近知ったことであるが,知床は盆を過ぎると秋の海になるとのこと.盆を過ぎると風向きが変わり,天気が良くても海には白波が立っていることも多いのだそう.泳ぎやカヤックにはかなり辛いのでやはり盆前に計画したい所だ.

気象庁HPより引用

潮位

これも忘れてはならない.全区間を海岸線沿いに移動する以上,潮位の大小で進捗が大きく変わってくる.行動時間中に潮位がしっかり下がってくれていればいいのでそれを念頭に計画しよう.私は結果的に8/4ウトロスタート,8/7羅臼ゴールの4日間で踏破する計画とした.お気づきの方もいるかもしれないが知床半島一周のベストシーズンは一年のうち,ほんの数日しかないのである!!天気がいいことを祈って予約するしかない(笑).

気象庁HPより引用

計画

計画はまず知床半島を何日で踏破できるか目途をつけることから始まる.ネットで掲載されている数々の貴重なレポを拝読すると,早くて2泊3日,ゆとりをもたせると4泊5日という感じだった.そこで私たちは間を取って3泊4日で踏破を目指すことにした.

幕営ポイント

幕営ポイントは基本番屋の跡地(廃屋)が目安となってくる.番屋が建っている=潮がそこまで満ちてこないという訳だ.潮位がどこまで上がってくるか推し量るのは難しいので,番屋周辺の土地を選ぶのが塩梅だろう.

番屋はGoogleMapや国土地理院地図で確認すると数多く確認することができ,計画を練る上でかなり使いやすい指標となる.特にウトロ側は幕営するのが厳しいような大岩が転がる石浜がほとんどで幕営できるポイントは限られてくるだろう.

さらに付け加えると,川の側はヒグマを始めとした通り道になることが多いのでいくら便利でも川の真横に幕営するのはオススメしません.

2日目に幕営したC2.オキッチウシ川手前の番屋跡にて.

ルート

ルートはウトロ側,羅臼側どちらからスタートしても問題ない.しかし泳ぎ区間が多いウトロ側からスタートした方が天気的には都合がつけやすい(半島全域圏外でラジオくらいでしか天気予報が分からない).それに難所は最初にこなしておいた方が後々気が楽だ.

後述するが8月のハイシーズン(お盆期間)であれば周回するにあたってバスを有効的に使え,カムイワッカからスタートできるのも大きな一つのメリットだ.計画では下の画像の通り.距離は出発前の概算なので参考にはしないで欲しい.

実際の行程は次の通り.

合計距離: 71364 m
最高点の標高: 349 m
最低点の標高: -8 m
累積標高(上り): 2143 m
累積標高(下り): -2383 m
Download file: yamap_2021-08-04_10_54.gpx

Day1(8/4) 21.8km

11:00知床五湖
13:40カムイワッカ湯の滝
16:00硫黄山橋
17:55C1 ルシャ

Day2(8/5) 14.4km

4:00起床
5:55C1 ルシャ
6:4019号番屋
8:55タキノ川 番屋
11:35蛸岩
12:45カシュニの滝
14:40無名崎
16:35マムシの川
18:45C2 オキッチウシ

Day3(8/6) 15.8km

4:00起床
5:50C2 オキッチウシ
8:35イタシュベワタラ
9:40アウンモイ川 番屋
13:00メガネ岩
13:45獅子岩
14:05文吉港
15:40知床岬
18:30C3 赤岩

Day4(8/7) 18.2km

3:40起床
5:45C3 赤岩
6:40カブト岩
7:20念仏岩
10:30ペキンノ鼻
11:40剣岩
14:30ウナキベツ川
16:30相泊

配車

メインディッシュが決まれば後は移動日の予定を詰めて,飛行機やレンタカーを予約する.

8/3 :神戸→新千歳→知床(移動日)

8/4 :知床

8/5 :知床

8/6 :知床

8/7 :知床

8/8 :予備日(渓流釣り)

8/9 :予備日(十勝岳)

8/10:新千歳→神戸(移動日)

知床半島一周において配車は計画の肝となるところ.バスは8月の夏休みシーズンのみしか走っておらず,それ以外はタクシーかヒッチハイクの2択となる.今回私たちは3本のバスを利用.事前に相泊に首尾よく配車を済ませておくことでバスの時間を気にすることなくゴールすることができた.以下詳細のバスの乗り継ぎを紹介しておく.

①相泊→羅臼

早朝に7:00のバスに間に合うようおに相泊に行ってレンタカー(マイカー)をデポ.車は相泊港に置いておくと良い.相泊~羅臼間は一日に2本しかないのでかなり使いにくいが最初にこれをクリアしておくことで他での自由度が格段に上がる.料金は衝撃の100円.

阿寒バス株式会社HPより引用

②羅臼→知床自然センター

羅臼の街で85分の待ち時間.適当に時間を潰して知床峠を越え,知床自然センターまで.阿寒バスの羅臼営業所には待合室があり快適.料金は1190円.

阿寒バス株式会社HPより引用

③知床自然センター→知床五湖

私たちのタイミングではお盆シーズンのカムイワッカの滝行きのバスが運行されておらず,知床五湖まで.知床自然センター~知床五湖までは8.7kmと意外に遠く,十分課金の価値はあり.さらに接続が偶然にも良く,30分程度の待ち時間で乗り換えられるのは素晴らしいの一言.料金は480円.

斜里バス株式会社HPより引用

装備一覧

ここでは私の忘備録的に持参した道具を記しておく.適宜参考になれば幸いだ.

ザック(ゼロポイント65L)

防水バッグ40L(mont-bell/ドライバッグチューブ)

防水バッグ20L(mont-bell/ライトドライバッグ)

ジップロック

ウォータープルーフタンク3.6L(元気商会)

熊スプレー(佐川急便で陸送)

爆竹(佐川急便で陸送)

熊鈴

携帯浄水器(ソーヤーミニ)

テント(ステラリッジ3型)

寝袋(ダウンハガー800#3)

エア枕

エアマット(ニーモ・オーラ120)

スポンジタオル

コッヘル(mont-bell/アルパインクッカー14)

バーナー(IWATANI/ジュニアコンパクトバーナー)

ボンベ(佐川急便で陸送)

ライター

箸(mont-bell/スタックイン野箸)

ヘッドライト(ペツル/ティカ)

ミニランタン(レッドレンザ―/ML4)

スマホ

一眼レフ(eos9000d)

ゴープロ(HERO8)

替えバッテリー

携帯充電器

浮き輪

ヘルメット(ロード用)

キャップ

ウェットスーツ(上2mm・下3mm)

ベース(ミレー/ドライナミック)

ベース(patagonia/キャプリーンクール)

ミドル(NIKE/dryfit)

レインウェア(mont-bell/ストームクルーザー)

テムレス(04)

軍手

ショーツ(patagonia/バギーズショーツ)

靴下×3

シューズ(スポルティバ/TX4)

サワタビ(mont-bell)

寝巻用長ズボン(TetonBros./リッジパンツ)

寝巻用Tシャツ

寝巻用ダウンジャケット

食料計画

家からはパスタと白米を持参.他は千歳のトライアルでまとめて買い出しを行った.食料計画的には日程ギリギリの配分で停滞すると食料が足りていなかったので反省.知床は悪天候,自身の負傷,潮の干満差,熊との遭遇等先に進めない要素がてんこ盛りなので余分な食料は必ず持ち歩いた方がいいと実感.

計10食

Day1バナナ&おにぎりカレー+ソーセージ
Day2パスタ+ソーセージおにぎり×2カレー+ソーセージ
Day3パスタ+ソーセージアンパン麻婆豆腐丼+ソーセージ
Day4パスタ+ソーセージ草もち

パスタ600g(3食)

パスタソース(3食)

ソーセージ×6袋(30本)

白米450g(3食)

赤だし(3食)

塩分タブレット(30粒)

ブラックサンダー×2袋

おにぎり×3つ

草もち×1袋

ミニアンパン×1袋

グミ×2袋

バナナ

泳ぎ対策

私は防水バッグ,ジップロック,ウォータープルーフタンク,浮き輪を使用した.

ジップロック先輩は割と防水が甘かったりするのでしつこいくらいに二重,三重と重ねるのがオススメ.

さらに一眼レフの防水対策には元気商会のウォータープルーフタンク3.6Lを導入.安心して海にもドボンできる優れもので値は張るが精神衛生上とても素晴らしかった.長い泳ぎ区間でもしっかり防水してくれて浸水することはなかった.

無名崎の泳ぎ区間にて

ヒグマ対策

残念なことにヒグマは避けては通れないだろう.私たちは4日間で合計3頭のヒグマと遭遇した.

特に8月中旬~10月頭にかけて遡上してくるカラフトマスを狙って河口付近によく出没するらしく,運ゲー要素が強い.進路に立ちふさがるようならじっと待つしかない.特にカラフトマスが遡上してくる前の8月頭はヒグマにとって食料がない時期らしく,変に刺激しないように注意したい.運良く私たちが出会ったヒグマは計3頭のみだった.帰ってルサフィールドハウスでお話を聞くと,暑い日は木陰のある森にいることが多いとのこと.そりゃ食料なにのに暑い海岸には出て来ないよな~と納得.

自分用メモ

収支

レンタカーやガソリンは2人で割り勘

航空券 神戸→新千歳  :7070円

    新千歳→神戸  :9070円

バス          :1770円

食費          :11349円

外食          :2130円

温泉          :360円

レンタカー(6泊7日)   :16100円

ガソリン(1153km)    :4652円

土産          :1299円

佐川急便        :2160円

合計∑48290円

レンタカーにデポしたもの

サンダル

着替え

眼鏡

家とバイクの鍵

ツーリングマップル北海道

D4夕方の水

ガラナ

60サイズ段ボール

終わり