【レビュー】ジュニアコンパクトバーナーの汎用性がすごい件【Iwatani】

アウトドアで調理に必要なものがバーナー.キャンプブームも相まって今や様々なバーナーが展開しているが,今回はイワタニの出しているジュニアコンパクトバーナー(CB-JCB)について書いてみる.CB缶ユーザーでも自由に持ち運びできるようにした元祖とも言える製品だ.その実力や如何に.

目次

スペック

・出力:2.7kW(2300kcal/h)
・ガス消費量:194g/h
・連続燃焼時間:約120分(イワタニカセットガスを使用)
・収納サイズ:82×68×109mm
・本体重量:274g(実測272g)
・価格:4290円(2022.6.20現在Amazonにて)

スペックは上の通り.必要最低限の機能性は網羅しているように思う.着火の際は一般的なバーナーと同じでガス調節を軽くひねった上で点火装置をワンプッシュすればOK.4本の板状のゴトクが風防の役目も果たしています.

ハードケースも付属しますがかなり野暮ったいので私は使っていません.

使用感

火力

火力に関して言えば特に不満はない.米を炊くこともできるしパスタを茹でるのもお手の物.もっと火力が強ければ…と感じたことは一度もない.十分実用に足る火力は備えていると思う.

ただしジェットボイルのように一瞬でお湯を沸かしたりするようなことはできないので注意しよう.湯沸かしにかかる時間は一般的なバーナーと似たような感じ.

また火力は風の影響も強く受ける.ゴトクが風防を兼ねているらしいが,あまり機能していない.風が強い中で長時間使用する場合はしっかりした風防を用意することをオススメする.

ランニングコスト

バーナーを使う以上気にしなくてはならないのがランニングコスト.普通のOD缶は如何せん高い.

ほぼ同等のスペックを持つプリムスのエッセンシャル・トレイルストーブを例に出してみると,出力が2.6kW/2200kcal/hでガス消費量が183g/hとなっている.つまり同じ環境下なら,圧倒的に安いCB缶が使えるジュニアコンパクトバーナーに軍配が上がるのは言うまでもない.

安定性

安定性はすこぶる高い.

OD缶を燃料とするバーナーでも直結型のタイプと分離型のタイプがあり一般的な直結型のものはどうしても重心が高く,不安定になりがち.しかし,ジュニアコンパクトバーナーはCB缶本体と三本の足でしっかりと接地しているので重心は低くなる上,すこぶる安定性がいい.この安定性はCB缶もバランスさせる要素に入っているので分離型を凌ぐ安定性といってもいいかもしれない.

ただし家庭用の鍋は乗らないので注意.片手鍋くらいをイメージするとちょうどいいと思う.

収納性

収納性は残念なことにあまり優れているとは言えない.一応モンベルの0.8Lのクッカー(アルパインクッカー14)には入る.携帯を目的としてバーナーの競合はどうしても山岳で使うようなバーナーとなるので分が悪いのだ.

さらに272gと少し重たいのが残念だ.g単位で装備を管理する人には合わないかもしれない.個人的にジュニアコンパクトバーナーをオススメしたいシチュエーションはキャンプ,ハイキング,バイクツーリング等の装備に比較的ゆとりのあるアクティビティだ.

写真は撮っていないが,もちろんきっちり蓋をしめることはできる

ちなみに収納する際は要らない軍手に包んでクッカーにほり込んでる.こうすることでクッカーが傷つかないし,熱いものをさわる時(ほとんど軍手が欲しいと思ったことはないけど)便利.

使用環境

スーパーで売られている汎用性のあるCB缶にも弱点はある.それは寒さに弱いということ.外気温が0℃を下回ると料理どころじゃない.そんなときは体温で頑張ってガス缶を温めたりしてみるが,たいして効かない(笑).経験上,こういったCB缶は春・夏・秋の3シーズンに使うことをオススメしたい.

ちなみにイワタニやユニフレーム,SOTOからは低温に強いタイプのCB缶も出ている.多少値が張るがこれさえあれば冬キャンプは乗り気れる実力は兼ね備えている.結局OD缶と値段は大きく変わらないが,低温に対応したガス缶が出ているお陰でストーブをいくつも買わずに済むのは嬉しい.

日本全国で燃料が手に入る

日本全国で燃料が手に入る

ジュニアコンパクトバーナーを手放せないのは実はこの点に尽きる.

バイクで各地を回りながら点々と山を渡り歩くのがここ最近の私のスタイルになっているためこれは非常に大きなメリットになっている.CB缶であればその辺のコンビニやスーパーに行けば簡単に手に入るが,OD缶となるとそうはいかない.良くて全国で小さい街に必ずあるコメリでおいてあるかどうかだろう.もちろんガス残量をきちんとマネジメントすれば取るに足らない問題かもしれないが,ずっと予備のOD缶を荷物にするのはどう考えてもナンセンスだ.

この気軽さが一番の安心感になる.

CB缶の互換性の話

結論から言うと,ジュニアコンパクトバーナーでイワタニ以外のCB缶を使って不具合が生じたことはない.

一応バーナーはそれぞれメーカーが定めたガス缶を使うというのが原則だ.仮に違うメーカーの作ったガス缶で不具合が生じて壊れたり,自分が怪我をしてもバーナーメーカーとしては責任は当然負えないため自己責任となる.実際,CB缶・OD缶に関わらずバーナーによってはガスが出ない等の不具合もあるようなのでその点は注意してもらいたい.

これが私のスタンダードなキャンプツーリングスタイル.

まとめ

優れた汎用性を気に入って山以外のアウトドアでは基本的にこのジュニアコンパクトバーナーを使用するようにしている.購入してから5年目となるが未だ不具合もなく使えていてお気に入りの道具の一つとなっている.

一方,日本全国どこでも手に入るCB缶を使えるメリットが売りのジュニアコンパクトバーナーだが,近年では詰め替え用アダプターやOD缶専用バーナーとも互換性のある変換アダプターが台頭することで徐々にその存在感を弱めているような気がする.しかし単体でここまで完成された製品も少ないので十分ジュニアコンパクトバーナーが戦える余地は残っている…と個人的には思っている.

OD缶専用バーナーだけ持っている方なら下の互換品を買うことで安く済むだろう…
詰め替えアダプターのデメリットは「出先で使用しにくい」「ガスの移し替えが手間」「若干リスクも伴う」ということが挙げられるので注意.

変換アダプターの方はこれといった弱点もなく完璧と言わざるを得ないです(笑).

終わり

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