ATK FREERAIDER16~ビンディング取り付け忘備録~

昨シーズンはマーカーのキングピンをインビス加工で2台併用していたが,この度パウダー用の板が一台増えたこともありビンディングも新たに新調する運びとなった.新たに購入したのはATKのFR16.近年注目度が高いイタリア製のビンディングだ.国内ではミヤコスポーツが代理店をしているようだが如何せん高額でとても手が出せない.

流石にこの値段は冗談きついぜ

そこで海外通販を物色しているとドイツのSport Conradでなんと衝撃の安さで落ちているではないか.お値段377.31€+送料70€+関税3000円.しめて65,623円.現地価格でも648.95€とかだぜ?!値上げの波に飲まれる前にこれは確保しなければならない.ポチッてから約1週間で届いた.

※何故かATK FR14はこれよりも100€近く高かった.

スペック

ちなみにFR16の推奨される板の重さは1200~1900gとのことだ.FR14だとこれが1000~1700gとなる.

実測値は木ネジやスペーサー込みで396gだった.

各部詳細

トゥピース

トゥピースは造形が美しく惚れ惚れする.開閉の機構はテックビンディング主流のバネではなく板バネが使用されている.さらに歩行時にロックの固さを変えるU.H.Vシステム(Up-hill Hardness Variator)が搭載されており,Soft,Mid,Hardの3つの固さが用意されている.

歩行時や滑走時にはビンディング内部に氷や雪が入り込むような隙間がなくかなりトラブルに強い構造となっていると思われる.

ちなみにスキーアイゼンはマーカーのキングピンのものと互換性がある.

ヒールピース

恐らくピンヒールのビンディングでは最強の部類.解放値が9~16とかなり強気のセッティングだ.ヒールはFlat, +27.5, +30, +44, +49mmと計5種類も用意されているがお世辞にもそこまで高いとは言えない.唯一の弱点とも言えるだろう.とはいえ,マグネットでカチャカチャしないように工夫されていたりかなり使い勝手は良さそうな印象.

ブレーキはウォークモードの際はボタンを押すとスライドして出てくるかぎ爪で保持する仕組み.解除はボタンワンプッシュでOK.スキーモードの際はボタンは触らなくても通常のブレーキのように格納される.

ヒールの解放機能は2種類あり,ピン部分は垂直方向に解放.

水平方向(スキー板の長手方向)にもバネが仕込まれて調整できるようになっている.こちらも小窓から解放値を確認できるようになっていて感心した.

ブーツもある程度のソール長に対応でき,前に11mm後ろに14mm動くようになっている.

フリーライドスペーサー

やはりこのビンディングの目玉はフリーライドスペーサーと言えるだろう.従来のピンヒールのビンディングでは滑走時にかかとが宙に浮いていた.しかしこのスペーサーを挟むことで踵回りの接点がピンとスペーサーの2箇所となり,より板に力を加えやすくなっている.これは革命的だ.

さらに各種ブーツに対応できるように0.6,1.2,2.4mmと3種類の幅のプレートが用意されている.私はサロモンのshift pro130でちょうど1.2mmと2.4mmを合わせて3.6mmでピッタリ隙間が埋まった.注意点としては初めはプラモデルのランナーのようにくっついているので割らないように注意すること.安いニッパー割れるよ.きれいに切り離せるカッターを使おう.

トゥーシム

さらにFR16に関してはトゥピース側にも4mm高くできるスペーサーが用意されている.ちなみにFR14はこのスペーサーは付属しない.とはいえ一度合わせてみると私のブーツには合わなかったので今回は使用しなかった.

取り付け手順

今回もまたもや現物合わせで行きましょう.ちなみにATKのテンプレートは本国公式サイトにあります.

①長手方向に中心線を引く

まずはスキー板の長手方向に中心線を引く.最初のこの作業が一番重要で,何か所も測定しミスがないように心がける.板には幅広のマスキングテープを貼ると作業しやすい.透明の梱包用テープや養生テープだと油性ペンしか使えずペン先が太い為誤差が出やすいです.

②メーカー推奨位置の線を引く

続いてメーカー推奨位置を確認しよう.大抵板の側面やトップシートに何かしら印があるはず.セットバックやセットフロントはこの線基準で動かすと良いが,拘りがなければメーカー推奨位置で問題ないだろう.

ちなみにこのメーカー推奨位置がブーツセンターと重なる.

③ブーツのソール長を確かめる

私のブーツの場合だと306mm.するとメーカー推奨位置からスキーのテール側に306/2=153mmがちょうどかかとの位置となる.

④ATK特有の注意点

ここで注意するべきことが,ブーツのかかとからピンを4mm出した位置がヒールピースの適正位置であるということ.これによりメーカー推奨位置から153mm(ソール長の半分)+4mm=157mmがヒールピースの位置であることが分かる.この157mmの線を引いておこう.

続いて現物合わせだ.その4mmを正確に出すためにビンディングの付属品に厚さ4mmのプレートが付属している.ビンディングを中古で入手してこのプレートがなければ4mmのアーレンキーを代わりに使用してもいいだろう.

この際ヒールピースは前後に計25mm調整幅があるので複数のブーツで板を履く場合は上手く調整できるようにオフセットを確認しておこう.

⑤位置決め

最後に位置決めだ.ここでビンディング位置が決まってしまうので慎重に.ヒールピースの位置と中心線の2箇所で最終的な位置を決定する.またこの時トゥピースもブーツにはめておくと同時にトゥピースの位置も決定される.

最終的な微調整としてビンディング全体が板に対して斜めであるといけないのでトゥピースとヒールピースで左右に均等になるように計測して確信を持って位置を確定しよう.焦っても決して目測に頼らないことがポイントだ.

⑥穴位置の決定

ビンディングの位置が確定すればビンディングの外周をペン先を丁寧にあてがってなぞろう.ビンディングからブーツを外し再度その枠線にあてがうことと穴位置が判明する.細いペンでその穴位置の印を付けよう.

⑦穴開け

穴開けにはポンチを打ち,細い径のドリルで下穴を開ける.この際垂直のガイドや貫通防止に穴の深さを制限するストッパーがあれば便利だ.しかしこれらがなくても慎重にやれば問題なく取り付けは可能だ.下穴は付属の木ネジよりも径が大きくならないように注意しよう.穴の深さは大抵9mmくらいになるはずだが一度木ネジをビンディングにあてがって何ミリくらいの深さとなるか確認しておけば安心だ(測るの忘れた).

⑧取り付け

最後はお楽しみの取り付けだ.ポジドライバーでないとスキーの木ネジはなめてしまうので注意してね.

最後に2つ程留意点.

1つ目がそのまま木ネジをねじ込むと周囲の材が浮き上がってきてしまう.これが浮き上がるとビンディングを取り付けても点でしか接触しないので面取りドリルを使って面取りしておこう.またビンディング載せ替えで違う穴が膨らんでいる場合にもこの面取りは有効だ.

2つ目は個人の自由となるがエポキシ接着剤を使用するとより強固な取り付けが可能となる.こうすることで木ネジの抜けや緩みはなくなる上,濡れに対しても格段に強くなる.しかしこの処置をするとビンディングの載せ替えや取り外しは通常に比べて困難となるので注意が必要だ.ちなみにスキーショップではこんな処理はせずそのまま取り付けしている(はず).

まとめ

無事取り付けが完了した.現物合わせは大胆なように見えて想像以上に丁寧な作業が要求される.上手くブーツが取り付けられることを確認したら一安心.左右で狙い通りの場所に寸分狂わず取り付けできるととても満足だ.

ATKは扱いのある場所がかなり少なく,国内で12店舗しかない.少なくともスキーショップVailは持ち込みで取り付け可能とのことだが他は未知数だ.やはりマイナーなメーカーのビンディングを所有する以上,取り付けは自身でできた方が圧倒的な強みになると今回感じた.是非この機会に自身で取り付けを検討してみてはいかがだろうか.

※現物合わせだと作業時間はそこそこかかるのでテンプレートの使用が楽だと思う.あと取り付けに7000円くらい要しても個人でのビンディングの取り付けは手間と時間がそれなりにかかるので妥当だと思う.

終わり

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