【レビュー】滑りも登りもこなせるTBジャケットを導入してみた【TetonBros.】

TBジャケットとTBパンツ

経緯

ようやく私もハードシェルを導入する時が来た.

ゲレンデでスキーの修行をする時間が長かった私.実はそこらの冬山は普通のスキーウェア(phenixの基礎ウェア)だとかレインウェア(モンベルのストームクルーザー)を代用して登っていた.

冬の蓼科山にて

けれど行く山域は極力,森林限界以下の山にしていたし,時期も1~2月の厳冬期を避けていた.極めつけは比較的人の入る冬山を選んでいたということ.情報も踏み跡も多いし想定通りに歩けることが多い.

けれど今シーズンからはより本格的な冬山に赴くべくようやくハードシェルを導入する.やっぱり想定外の状況に直面するとスキーウェアだとかレインウェアはちょっーーーと厳しい.

スキーウェアも3シーズン使ってボロボロなのでちょうどいいタイミングなのだろう(笑).しかしハードシェルと同時にスキーウェアを新調するのは懐が悲鳴を上げるので,どうせなら滑りも登りも完璧にこなせるハードシェルを買おうと思った次第だ.

とりあえずスキーウェアで登山するにあたって行きついた知見を挙げてみた.

・ジャケットはベンチレーションがあるも中綿のせいですぐにオーバーヒートする.

・パンツは中綿があっても意外と問題なく使える

・パンツのインナースパッツやアイゼンガード(エッジガード)は必須

・フードや襟元は貧弱なものだと心もとない

・耐寒性や防風性はさして問題なし

・防水性より透湿性が欲しい

・ポケットがいっぱい欲しい

最終的に行きついたのはティートンブロスのTBジャケットとTBパンツ.

やはり滑りも登りもこなすことを前提とした山スキーをピンポイントにした設計のウェアでないとどちっもこなすのは無理だろうと…多少高いのはしょうがないよ…

どうせならかっこいいハードシェルがいい

配色

どうせならかっこいいハードシェルを着たい.スキー場でも遠くから見てかっこいい配色がいい.

そう思って街の感覚で色を選ぶと雪上で痛い目にあう(笑).

そう…山と街は別のファッションセンスが必要になってくるのだ!!

そこで作るのが「クソコラ」.これだけで雪上でのイメージがまるで違ってきます.しかもティートンブロスは私の生活圏内で扱っている場所がなく実物が見れないのでこうせざるをえないのだ.

今回のTBジャケットとTBパンツを選ぶにあたって考えた候補は下の写真の通り.上下で同色のパターンなんかは滑りがメインだと最高だけど,今回は登山にも使うので候補からは外した.

普段街で履くなら選ばない色のパンツだけど雪上だとバチバチにかっこいい.人と被らなさそうな配色が最高だ!
私のイメージする正統派山スキーヤーって感じ.
冬山のハードシェルパンツは各メーカーほとんど黒色しか出さないのは謎.山ではかっこいいけどスキーで遠目には映えない.何よりレインウェア感が出るからなし(笑).

そして最終的な候補は次の3パターンになった.このクソコラは山中で少し遠目から見たイメージを意識して作った.

サイズ感

次に重要なのがサイズ感.何より実物を見ずに買わなければならないのが難関すぎる.

まず,考慮しなけらばならないのがティートンブロスの作るウェアは総じて一回り大きい

さらに,スキーで滑った時のシルエットが美しいようにパツパツのサイズ感は避ける必要がある.

さらに,さらに!

スキーブーツを履いて丈が短くなりすぎることもなく,冬靴を履いたとしても丈が長くて引きずらないようなサイズ感でなけらばならない.

本来なら実物を見たかったけどどうしても店頭展示しているものは見つけられなかった.

そこで私が用意したのは自分自身のウエストだとか裄丈だとかの実寸値,現在所有しているスキーウェアやレインウェアのカタログ値と実寸値.そしてこれだけでは不安だったので大阪まで出ていってサイズ感が似ている北欧ブランドのスキーウェアなんかを試着しに行ったりもした.

結果…悩みに悩んで選んだのはTBジャケットがMサイズ,TBパンツがSサイズという結論に落ち着いた.

ちなみに私は身長172㎝,体重57㎏のやせ形.ちょうどいいサイズ感だ!

耐久性

なんとも分からない…というのが手に入れてみた正直な感想.

このTBジャケット,TBパンツは「ポーラテックネオシェル」という素材でできているのだがその主な原料はポリウレタン(PU).加水分解して劣化しちゃうあの素材です.この素材がどこまでの性能を保てるのか分かりません(笑).パタゴニアのトレントシェル(こいつの素材はナイロンだけど)みたいに数年で内側がモロモロ,ボロボロになったら最悪ですからね…

そこで私はメルカリやヤフオクなんかの中古市場を覗いてみた.それなりの年数使われた(放置された)TBジャケットでも比較的状態は良く見えるものが多いというのが第一印象.あまり着用せずに売りに出しているパターンが多いのが実情のようだけど,それでも数年放置されたウェアの状態を見られるのはありがたいことです(笑).

またTwitterで情報収集もしてみたところ,酷使したネオシェル系のウェア,特にパンツは3シーズンくらい使うと浸水してくるらしい

果たして私のTBジャケット&TBパンツはどこまでもってくれるのでしょうか?またその辺りはしっかり使ってレビューしてみます.

ちなみにジャケットが627g
パンツが706gだった

大きなベンチレーションの強み

八ヶ岳・赤岳にて(11月)

雪を待ちきれずに赤岳に登ってきた.気温0℃,風速20m/sと雪こそないもののTBジャケットを試すには絶好のコンディション.

結果から言うとネオシェル最高!!

全く蒸れない.けっこう辛いコンディションのはずだけどハードシェルのおかげでめちゃくちゃ快適だった.しかもベンチレーションが最高すぎる.オーバーヒートしそうになってもガバァァっと大きく開くベンチレーションのお陰で汗をかかないギリギリの所を狙えるのが素晴らしい.ミドルやベースの工夫次第で如何様にも使えると思うしこれから使うのが楽しみだ.

2020.12.22追記

先日雪の被った塩見岳(12月中旬)へ登ってきた.この時も体温調節にベンチレーションを大きく開けているとなんとザックを背負っていた背中部分がバキバキに凍ってしまった.この時は気温-10℃以下でそれなりに寒く何もかもがすぐに凍るのは当然だけどこんなことってあるの??頂上直下では-20℃近くにもなり,これを溶かして再びドライなものにすることはほぼ不可能…就寝時にこれを着て寝ることも考えたが寝袋の濡れを考えると怖くてできなかった.

さらに使ってみてどうなるか検証したいところ.

厳冬期塩見岳の記事はこちら

ベンチレーションのお陰か,暑くも寒くもなかった
背中の裏側がバキバキに凍ってしまったTBジャケット

2021.1.5追記

年末年始にTBジャケット&TBパンツをスキーや軽いBCにて9日間使用.

全体としては概ね良好.ザックを背負った時のベンチレーションの位置や左肩のリフト券入れは秀逸.さらにTBパンツの深雪での安心感は計り知れない.しかし気温が高くべちゃ雪が舞うコンディションでは雪が体温で溶け,雪がまとわりつくことが多い.同じ条件下で某TNFのスティープシリーズはこのような症状はなかった.さらさらパウダーでは雪は払えば落ちて至極快適だったが,これは世の大抵のウェアでも同じなので特筆はしない(笑)

実のところ,私のTBジャケットは19-20モデルの「一日使用」のものを中古で購入したのだが実際はもう少し使用されていた可能性がでてきた.ニックワックス等で処理すれば撥水性がどう改善するか試してみたい所ではある.対してTBパンツは20-21モデルの新品のもの.TBパンツはTBジャケットのように雪がまとわりつくことはなかったものの新品使用でも撥水性はイマイチ.

いずれも防水性は問題ないので生地表面で溶けた雪が浸入することはないので最低限の機能は保っているが,雪山での連泊(遭難も含めて)を想定すると厳しいものがある.

さらにネオシェルだからといってウェア内側は完全にドライにはならないことも記しておこう.ネオシェルは発汗による蒸れに対しては比較的強いようだが厳しい寒さでは運動していなくてもどうしても結露が生じてしまい内側は湿る.前回の塩見岳ではこの結露がベンチレーションを大きく開くことで外気がウェア内に流入し凍ってしまったのかもしれない.

総じて万能ハードシェルというよりは防水ソフトシェルというような印象だ.

雪の付いたTBジャケットとTBパンツ
年末の赤倉観光リゾートにて雪がまとわりついて凍ってしまったTBジャケット(気温-2~0℃)

2021.2.15追記

2021.2.14,野伏ヶ岳へ

野伏ヶ岳の記事はこちら

TBパンツの性能に関してあまり書けていなかったので追記.気温が高く5月の残雪期のような陽気の中の登山だったため厳冬期にもかかわらず半袖で登ることに(笑)

TBパンツ単体でも使えるが裾がスキーブーツに合わせて広く,足を引っかけやすいと予想しゲイターを着用.臨機応変に裾を絞れるような機能があればよかったのになと思う.しかし,しなやかな生地は足の動きを妨げず,登山においても非常に快適だった.

野伏ヶ岳のダイレクト尾根を詰める.

さらにベンチレーションもTBジャケットと同様に秀逸.ビブ内の蒸れを一気に解消できるのは素晴らしい.

またTBパンツのビブパンツ故に暖かく,上に一枚薄手のベストを着ているような感覚だ.寒くても体で作った熱が服の隙間から漏れずに循環していて何とも言えない心地よさがある.

ビブは取り外し可能で,特に用を足す時にも分離できるのでデメリットもない.

2021.4.6追記

2021.4.3,乗鞍岳へ

乗鞍岳の記事はこちら

20-21シーズンは年末にドカっと雪が降ったもののそれ以降は例年より雪が少ないシーズンになった.そのため融雪も早く行きたかった乗鞍も1ヶ月前倒しで乗り込むことに.案の定GWのような様相.暑くてビブパンツにする必要もないのでビブを切り離して普通のパンツとして使用.パンツだけでは緩すぎるのでベルトの装着は必至だったがそれ以外は快適そのもの.

まとめ

シーズンを通してTBジャケット&TBパンツを使ってみたが総じてよく出来ているスノー系ハードシェルだと感じた.唯一…残念なことはスキーで滑ったときにシルエットが微妙な所かな?(基礎スキーを嗜んだことがある方なら分かるはず…!!)

以上だ!!

また使い込んで分かったことがあれば追記しようと思う.