【南アルプス】テント泊で行く!厳冬期・塩見岳(2days)

目次

コース概要

2020.12.19~20

CT(山と高原地図)とルート

〇1日目:225min
島倉登山口-三伏峠-2498コル
2498コルにてテント泊

〇2日目:615min
2498コル-塩見岳-2498コル-三伏峠-島倉登山口

∑840min

◎天気

天気や風,気温,積雪量の情報は念入りに調べた.予報ではちょうど西高東低の気圧配置で寒波がやってきてめちゃ寒く,夜はかなり冷えるとのことだったが,そよ風(雪山基準で)&快晴&程よい積雪量(30㎝前後)だったので余裕でGOサイン.尚,積雪量はヤフーと気象庁,Windy,yamapの直近のログを参考にした.

マウンテンウェザーフォーキャスト
mountain weather forcastより
SCW
SCWより
yamayamaGPV
yamayamaGPVより

◎装備

今回の装備はこんな感じ.冬用の装備としては10本爪,ピッケル,ゲイター,ワカン,ストック.テン場整備用のスコップも用意.シュラフはスリーシーズンのものだけどシュラフカバー&エアマット&銀マット&ダウンパンツ&カイロで挑んだ.

雪山テント泊の装備

レイヤリングはこんな感じ.

ミレー・ドライナミック
モンベル・ウィックロンT
TNF・バーサマイクロジャケット
アークテリクス・プロトンLT
ティートンブロス・TBジャケット

モンベル・ジオラインexp
ティートンブロス・リッジパンツ
フェニックス・基礎ウェア

基本これで寒くなく過ごせたが,靴下だけは適当なものにしたことを後悔…

雪山テント泊の服装

食料はこんな感じ.凍らない物&お湯だけでどうにかなるもののみにした.テント泊の晩はおにぎりと合鴨,干し芋,みそ汁.朝はお湯だけで作れるカレーメシ2個とみそ汁.やはり問題となるのが水の管理.下界からは煩わしい水作りを回避するため2L荷上げたが案の定みるみるうちに凍っていったのでシュラフに入れて寝ることで辛うじて氷化を阻止した.保温ボトルは雪山泊なら300mlのものはやや物足りなかったので一回り大きい容量のものが欲しいところ…

雪山テント泊の食糧

以前より積雪期の塩見岳が気になっていたが意外にも登れる機会は早々にやってきた.天気も素晴らしく,2日とも快晴でこの上ない条件.今年はコロナ禍の影響もあり三伏峠小屋の冬季小屋は解放されていないのでテント泊.シュラフの性能的にほぼ性能の限界を引き出すような環境ではあったが,パーティーが3人であったことや,念入りに防寒対策を行ったお陰で快適に眠ることができた.スリーシーズンシュラフの限界はどこにあるのやら???

1日目(12/19)

雪上チャリパート

島倉林道に雪はないと勝手に予想していたが予想外にも道路は真っ白だった.アイスバーンであれば駐車場から登山口までの区間を歩かざるをえなかったが今回はサラサラパウダーだったので強行して乗っていくことに(笑)

雪上のロードバイク
駐車場ですでに寒く気温は-5℃程.
ザックの外付け
パッキング完了!!
三段紅葉
1ヶ月前にも悪沢岳を登りに同じ島倉にやってきたがここまで激変するとはねぇ
島倉登山口とロードバイク
雪があっても思いのほか進めて笑う.自転車らしいスピードは出せないがそれでも人が歩くよりも速くて楽々.
雪上をロードバイクで走る
雪上をロードバイクで走る
東京から遥々参戦してくれたハヤタさん.
雪上をクロスバイクで走る
お馴染みのGUCCIさん.林道に雪があることを予想してクロスバイクで来たのは流石.
林道に置かれた自転車
あっという間に登山口に到着.

クライムオン!!

登山口を出発する人
雪はあるもののアイゼンなしで登れる.
冬の三伏峠小屋
雪山テント泊となると装備が多くてしんどい!!(笑)極力汗をかかないように進む.
相変わらず同じような景色が続くが雪があるだけで楽しい.
5/10標識あたりでアイゼンを装着.
恒例の看板.この辺りにもなると積雪量も多くなり深い所でザっと30㎝程.
冬の三伏峠小屋
1ヶ月もすればこうも変わるのか…
三伏峠にて気温-10℃.よりによってこの温度計を落としたらしく,最後に見たのはここになった.
三伏山より.塩見岳は雲の中で見えず.正面には烏帽子岳.三伏峠にテントを張っても良かったが時間を持て余すのでもう少し先に進むことに.
伊那谷の方は快晴.冷たい風が吹いてくるけど予定通り風は弱くて全然問題なし.

極寒テント泊

テント場を整地する人
テントを張ったのは2498mのコル.ちょうど三伏小屋跡へ続く分岐の箇所が比較的開けていたので整地をした.
雪の上に張られたテント
ギリギリ3人用のが張れるくらいだけどこじんまりして快適.
暗くなる森
そうこうしているうちに夕陽の時間.日暮れるの早くね??冬至も近いから当然だが…
アーベントロート
夕陽を浴びて染まる本谷山.
アーベントロート
塩見岳のアーベントロートを楽しみにしていたが不発…
雪の上でのテント泊
テン場から.ちなみに整地をするのに斜面にあった雪を全部スコップで下した.写真右下はその残骸.
日が落ちたらすぐに晩飯.ダウンジャケットやダウンパンツを着込むと寒くはないがどうしても足元が冷えて仕方ない.ゆっくりご飯を楽しむ余裕はない(笑)
しかしGUCCIさんは鍋をおっぱじめた!!雪山で鍋とは恐れ入った!!私は速攻でシュラフにくるまってカイロを投入.足元が温もると安心する.
テントは狭いけど今回は温くてむしろいい(笑)

2日目(12/20)

真夜中のアプローチ

雪から水を作る人
翌朝2:30に起床.ハヤタさんはアルコールストーブでお湯作りに挑戦.しかしこのクソ寒い中ではやはり沸騰せず…
7時頃になるとようやく明るくなってきた.しかし一面ガスの中で不安なまま高度を上げる.
冬の塩見小屋
塩見小屋.これより先は風を避けて休む場所がないので長丁場に備えてしっかり補給を行う.歩いていると寒くはないが立ち止まると足元や手先があっという間に冷えてくる.ちなみに塩見小屋は一応冬季小屋は解放されているが寝るスペースはほぼない上,積雪量が多いと扉が開かないためここで泊る計画は辞めておいた方がいいだろう.

塩見岳アタック

夜明けの塩見岳
休憩を終え,歩き始めるとガスが取れてきた!!!
夜明けの塩見岳
おおおおおおおお!!!見えた!!!天狗岩と塩見岳.今からこれに登ると思うとアドレナリンが噴き出てくる.
夜明けの塩見岳
標高は高いが雪は変わらず多くない.多すぎず少なすぎずちょうどいい感じ.
天狗岩を見上げる.
快晴きました!!
厳冬期の悪沢岳
遠くには悪沢岳もばっちり.登った山が見えると興奮するなぁ.
冬の南アルプス
↑上の写真をズームアウトするとこんな感じ.奥から荒川三山,小河内岳.
厳冬期の塩見岳
ひたすら高度を上げる.足元はしっかりしているので恐怖感はない.
緊張が走る.天狗岩手前から徐々に傾斜は急になり崖のような道を縫うように登る.これ以上雪が多いと恐らく夏道は使えないと思う.
天狗岩から望む塩見岳.い…厳つすぎる(笑)
ほぼ壁で笑うしかない.
厳冬期の塩見岳
厳冬期の塩見岳
厳冬期の塩見岳
核心部を抜けると最後は緩やかになり安心して登れる
流石に頂上近くは風が強い.気温は予報では-19℃とか.シャッターを切るのも大変だけど頑張って写真に残す.
塩見岳からの景色
やったーーーー!!!塩見岳登頂成功!!奥には富士山も見える.けどゆっくりしてる余裕はない(笑)
ちゃっちゃと少し標高の高い塩見岳東峰の方にも行って写真を撮って撤収!!
下山します!!また来るよ!!さっさと核心部を安全に降りて安心したい(笑)
塩見岳からの景色
白根三山は雲の中.

クライムダウン

本当の闘いはここから.一歩一歩めちゃくちゃ慎重に降りる.
厳冬期の塩見岳
厳冬期の塩見岳
冬の塩見小屋
塩見小屋まで降りてくると一安心.しかし私の膝の調子がなにかおかしい…この痛みは覚えがあってランナーズニーを発症したようだ…(帰ってから調べると膝内が痛む鵞足炎がそくえんだった.ランナーズニーは膝の外側が痛む)
登山口まで遠いなぁ(笑)
厳冬期の塩見岳
時より見える塩見岳が励ましてくれる.体力的なしんどさとか集中力切れなんかは何も辛くないけど,こういう故障は一番しんどい…
厳冬期の塩見岳
厳冬期の塩見岳
ひたすら塩見岳が美しい.
テントを撤収する人
テントまで戻ってきた.休憩しつつ撤収!!!
テント跡地
みんな使っていいよ??
厳冬期の塩見岳
くどいけどまた塩見岳.角度が変わってそれぞれかっこいい.
冬の三伏峠小屋
頑張って降ります(笑)幸いこういう膝痛には慣れてて普通の速さでは歩ける
三伏峠から見た中央アルプス
冬の針葉樹林
冬の針葉樹林
林道が見えると一安心!!長かった!!
こ,ここからダウンヒルもあるよ…
雪上をロードバイクで走る
雪はかなり解けてるけどやっぱり日の当たらない場所は残ってる.辛うじてチャリに乗って降りれるけど危なくてしょーがない(笑)
駐車場まで降りてきた!!おつかれやま!!!中々充実した山行でした.

終わり

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