2020.2.7
北アルプスの雪山入門の山として知られる唐松岳.しかし私は雪山入門の山にしてはかなりハードルが高いように思う.私は数年間,ハクノリでシーズンを通してスキーの研鑽を積んでいたので冬の白馬界隈の天気の傾向は概ね把握しているのだが,厳冬期と言われる12月中旬~2月中旬で一日を通して快晴の日はほとんどない.街(スキー場)は晴れても山はガスの中という日がかなり多く,唐松岳登頂に適した日は少ないというのが実際の所である.3月になれば雪質も安定しはじめ,晴れてる日が多くなるので初心者は3月以降がオススメ.
目次
白馬八方尾根スキー場
注意事項
唐松岳の登山口・八方池山荘へはゴンドラやリフトを乗り継いで向かう.近年は山スキー&BCスキー人気に加え海外からもわんさか人が押し寄せるのでリフトにはかなり早めに並ぶのが吉.(20-21シーズンはコロナで人が少ないので狙い目の年かもしれない)
ゴンドラやリフトの料金は次の通り.通常往復3000円と思っていいだろう!!またチケット購入の際に登山届を窓口に提出する必要があるので事前に準備しておこう.
券種 | 料金(円) |
八方ゴンドラリフト「アダム」往復 | 1800 |
アルペンクワッドリフト 往復 | 600 |
グラートクワッドリフト 往復 | 600 |
手荷物料金(15㎏以上で発生)往復 | 900 |
チケット購入後は復路にも必要になるのでなくさないように注意しようそして帰りのリフト営業終了時刻の確認を忘れずに!!これを過ぎると帰れません(笑).大抵の場合15:30にグラートクワッドが終了するようですが,強風時にはリフトの運行が早めに切り上がったりそもそも登山口まで上がれない日もあるのでチケット購入はかなり慎重に行ってください.
「何時までに登れなければ撤退する」
唐松岳登山はタイムリミット付きのせわしない登山になるので要注意です!!
登山口までの流れ
①ゴンドラスタート前に来て列に並ぶ
②ゴンドラ・アダムに乗車
③ゴンドラ終着駅のうさぎ平テラスを後にしてアルペンクワッドリフト乗り場へ
④続いてアルペンクワッドに乗車
⑤最後にグラートクワッドに乗車
⑥リフト営業終了時刻を最終確認
⑦クライムオン!!
登山計画
天気
◎2020.2.7の白馬村の天気
・朝10:00時点で-5℃(2700mで-15℃)
・一日中快晴
・風速:西風15m/s(3000m地点)
南西4m/s(2000m地点)
この日の天気は合格.通常の天気予報以外にも各種専門のサイトを駆使して確実に晴れる日を見定めました.冬のアルプスで風速15m/sはそよ風みたいなものだけど,実際はかなり強いと感じる人も多いはず.夏山で風速15m/s相当を経験してると冬山に活かせるかも.
雪崩危険度
天気と同様にこちらもかなり重要.唐松岳は登山コースが尾根上とはいえ,雪崩れてもおかしくないポイントがいくつかあるので慎重に行動するべし!日本雪崩ネットワークが毎朝発表している雪崩の危険度の情報始めに従うのがベター.危険度1~2なら比較的安心して登れるのではないでしょうか?(危険度1~2でも雪崩は起こるので慢心はかなり危険)
私の登った日はかなり不確定要素が多かったが現地で雪質を確認して登頂できると判断した.一日快晴ではあったが撤退も常に頭の片隅に置きながら登頂した.
この日の危険度は前日のまとまった降雪のため入山者がいなくて判断材料がなく、結果的に安全側の判断になっていたと思われる.
ルート
夏道と違い,基本的に尾根沿いを歩くことになる.所々雪庇も張り出しているので細心の注意が必要.
登頂レポート
クライムオン
クライムオン!!続々と人が登って行くなか登り始める.この時点でアイゼンを装着.
基本的に始めのうちはケルンを目指して進めばOK!!かなり広い尾根なのでホワイトアウトしたらかなり残酷…
トレースを外せば膝より深くずぼっとはまるけど基本踏み固められてるのでワカンなしで歩ける.
八方池に到着.
白馬の一大観光地の八方池も冬になるとこの有様.雪で完全に埋まってしまって湖面は見えない.八方池チャレンジは失敗!!(快晴の白馬三山のリフレクションが見れると八方池チャレンジ成功となる(笑))
八方池からはやや尾根も狭くなり迷うような箇所はほとんどない.
トレースは上ノ樺辺りまでだった.滑りメインの人のほとんどはここまででドロップするようだ.
まさかの私が先頭になってしまった.しかしノートレースの新雪をラッセルできて楽しい.
ワカンも持って来ていたけどあえてツボ足で挑む.ギリギリなくて進めるなら付けるのがめんどくさいのだ(笑)
風の通り道にはほとんど雪が付いていない区間もある.
この辺りは雪が深くて中々大変だった.寒くもなく汗ばむコンディション.この時点では風もほぼ無風に近い.右端に寄りすぎると雪庇があるので注意.
唐松岳唯一とも呼べる核心部へ.所々足場が狭いので注意.滑落の危険を感じる程ではないが足を絡ませるとアウト.
主稜線へ.トレースがなくてどう稜線に上がればいいか少し迷った.雪庇の張り出しが薄い所から突破した.
主稜線に乗れば風が吹きつける.予報通り15m/s程だろう.カメラのシャッターを押すのが辛い.
最後の登り.
登頂成功!!最高でした!!
唐松岳山頂より山座同定
下山
時刻は正午前.体が冷えないうちにさっさと下山します.なんやかんや20分近く頂上で写真撮ってました(笑)
夏とは違って静かな唐松山荘.
続々と人が登ってきた.山頂独占できて良かった(笑)
八方尾根は下山も楽しい.始終展望が開けてるし昼を過ぎてもこの青空!!
登りはラッセルでクロウしたけど帰りは足に全く負担がかからずラクチン.
終わり
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