ここでは実際に私が所有してきたスキーをコンセプトと購入意図,乗り味等のレビューをまとめていきます.序盤から終盤にかけて購入した順になっています.これからスキー板を購入される方の参考になれば幸いです.尚始めの2台はゲレンデ圧雪専用機なので読み飛ばしても大丈夫です.
目次
私のスキー購入遍歴
SALOMON X-RACE SW P69 Z12 165cm
〇スペック
Season | 17-18モデル |
Length | 165cm |
Sidecut | 120-70-104 |
Radius | R13 |
Weight | 2368g |
Construction | Full Sandwich Sidewalls |
Core | Full Wood S core |
Bindings | Z12 SPEED (1440g=1/2pair) |
初めて購入した基礎板.当たり前だが山での使用ではなく圧雪オンリー.一番長い時間この板に乗った分私の板に対するベンチマークの一つとなっている.
圧雪においては全自動カービングマシン.角付けを行うだけでも自動的にカービングターンしてくれる.試乗会で他の基礎板にもかなり乗り比べをしたがXRACE SWは癖がない部類だと感じた.ただし板がかなり重い.その分高速域では真価を発揮し,その安定性にはびっくりさせられた.
基礎板なので小回り,中回り,大回り,コブと圧雪において四角はない.いわゆる太板でもゲレンデ圧雪を卒なくこなすものは多いが圧雪を滑るなら断然基礎板だ.ちなみに非圧雪は滑れなくはないが完全に修行で全く楽しくない.
後輩に売却.
SALOMON X-RACE GS LAB 183cm
〇スペック
Season | 17-18モデル |
Length | 183cm |
Sidecut | 105-67.5-89 |
Radius | R24 |
Construction | Full Sandwich Sidewalls |
Core | Woodcore |
Bindings | X16 LAB(1480g=1/2pair) |
ロング板.別名GS板.ゲレンデの圧雪を大回りで攻めるためだけの板.トップが噛みまくる,テールが全くズレない,高速域での谷回りの安定感が半端ない等GS板に乗らないと学べないことは多く,大回り系種目の技量を磨くには必須の機材だ.
しかしながらゲレンデに広いバーンがない,人が多いと乗れない,ロング板に乗るゲレンデコンディションではない等で出動機会はかなり少ないという現実もある.
後輩に売却.
K2 COOMBACK 174cm
〇スペック
Season | 11-12モデル |
Length | 174cm |
Sidecut | 135-102-121 |
Radius | R22 |
Weight | 1998g(実測) |
Construction | キャップ構造 |
Core | モミ&アスペン |
Bindings | Marker griffon13(1019g=1/2pair) |
初めての太板.まずは山スキーで基準とされる100mm&170cm中盤の板を試そうと思い購入した.総評として50点といったところ.
確かにシーズン通して1本だけ選ぶなら100mmがちょうど良い塩梅.しかしパウダーでは少し浮力が足りないし,春雪ではそこまで気持ちの良い滑りはできない.帯に短し襷に長しとは正にこのことだろう.最低冬用と春用は分けたいと思うきっかけになった.
板そのものは比較的重さもあり走破性が良くあまり暴れなくて及第点な板だった.ただ山スキーにおいてフラットテールはズレにくく扱い辛かった.ツアー系の板はフラットテールが多い気がするが,万能に山で滑る分にはフラットテールである必要がないと思うのは私だけだろうか.
圧雪においてやや足元の太さを感じるがカービングは問題なくできる.ただし,カービングでの最初の捉えが難しい.これはトップのオールテレインロッカーによって中々噛んでいかない為だろう.
長さ,太さ,ロッカーとキャンバーの割合etc色々…学ぶことが多い一台だった.
2021年友人に売却.
DPS ALCHEMIST WAILER A106 C2 185cm
〇スペック
Season | 17-18モデル |
Length | 185cm |
Sidecut | 134-106-120 |
Radius | R19 |
Weight | 実測1916g |
Construction | Alchemist |
Core | Aspen Wood Core&カーボン |
Bindings | Marker kingpin13(実測706g=1/2pair) |
備考:インビス仕様
ティートンブロスのフォトコンテストに応募したところ入賞し半額購入の権利を得て購入した一台.なにせDPSは高級.この機会を逃せば乗れる機会はそう巡り合わないと思った.コンセプトは不整地大回り専用機.
185cmとかなり長いがロッカーが全体の25~35%の為思ったほど扱い辛さはない.カーボンのお陰か評判通り高速域ではめちゃんこ安定してくれるので無木立の広大なバーンで最も威力を発揮する.ただし乗り味に癖があり,谷回りで慌てずに待っているとワンテンポ遅れてグワーッと強烈に板が戻ってくる.この感じは少しロシニョールの基礎板の独特な乗り味に似ているかもしれない.これがDPSか.何せ板がカッチカチなのでこの板の返りが強烈.扱える人はほんの一握りだと感じた.私にしてもオーバースペック感がある…
整地においてはキレッキレの中回り~大回りができて楽しい.ゲレンデが荒れたボコボコのジャガイモ畑になっても高速大回りができてしまう.圧巻の走破性に脱帽だ.GS板並みと言っても過言はないかもしれない.
総評としてはかなり尖った乗り味でコンディションがハマれば最高の一台だと思った.ただし長さ故小回り系はてんでダメ.その為ツリーランは苦手分野だと思う.DPSの中でもRPのようなロッカーの割合が多いともう少し扱いやすくなると思う.
BRASTRACK FARTHER 176cm
〇スペック
Season | 14-15モデル |
Length | 176cm |
Sidecut | 126-92-114 |
Radius | R17.5 |
Weight | 実測1712g |
Core | 軽量ウッドコア/特殊F.R.P |
Bindings | Marker kingpin13(実測706g=1/2pair) |
備考:インビス仕様
万能な春板として購入.春板も90mm以下の派閥と100mm相当を良しとする派閥があるらしいが,春は90mmくらいが好み.
ファーザーは春板として完璧かもしれない.適度に硬くそして柔らかく.乗り味はかなりマイルドで扱いやすい.軽くて高速域でも暴れない.もう…完璧です.初心者から上級者まで納得できる板ってほとんどないと思うけどファーザーはそれを実現してる.多分この板がぶっ壊れてもリピートすると思う.ワイラーが力こそパワーのような板ならば,ファーザーは柔能く剛を制す板といった所だろう.春のもっさり重たい雪のような修行コンディションでもすぐにテールが抜けてくれるので楽しく滑れる.ただジャガイモ畑とかデブリみたいなゴミコンディションを高速域で滑るならワイラーの方が断然良い.
一言で言うと中回り専用機でカービングもズレも自在で気持ちいい.大回りになるとテールロッカーも相まって綺麗にズレるので,いい意味で強制的に次のターンに移行できる.整地においてのカービングでは165cm基礎板と似たようなグリップ感と安定感.センター幅92mmは今まで長く履いてきた基礎板と比べても足元の違和感が全くない.板がしなやかにたわむのでかなりクイックに動けるのも◎.というかテールが想定よりかなり速く流れ始める(ズレる)ので小回りは脚だけ先行してシルエットがきもくなりがち.
板が良くしなることは良いことだと学んだ一台だった.
BRACKCROWS ANIMA 176.6cm
〇スペック
Season | 21-22モデル |
Length | 176.6cm |
Sidecut | 144-115-134 |
Radius | R19 |
Weight | 公称2100g |
Core | ポプラ/グラスファイバー |
Bindings | ATK FR16(実測396g=1/2pair) |
パウダー用の板として購入.パウダーを滑る機会としてはツリーランも多くなる為,さらに自分自身が日本人均身長とそんなに足が長くないので取り回しのしやすい一番短い176.6cmのものを選んだ.
板は超重量級.スピード域が上がっても暴れずどっしり安心感がある.ロッカーとキャンバーの配分も絶妙で太さを感じず扱いやすかった.ただしハイクアップはそれなりの覚悟が必要.テールロッカーのお陰でテールを自在に流すことができ,登山道滑走なんかでも取り回ししやすくて頼りになる.
キャンバーもしっかりあるので圧雪でもそれなりに滑れはするが楽しいかどうかで言うと楽しくない.やはり不整地専門で圧雪は細い板に限る.
Blastrack Elixir E 165cm
〇スペック
Season | 23-24モデル |
Length | 165cm |
Sidecut | 125-80.5-110 |
Radius | R15.4 |
Weight | 公称1760g |
Core | 軽量ウッドコア/特殊FRP |
Bindings | ATK R12(実測363g=1/2pair) |
ここ数年の物価高騰の影響やゲレンデを滑る機会が減ったことを加味して基礎板環境を断捨離することにした.代わりに山ブーツでも楽しめる,基礎板に相当するようなフリーライド板を探した結果,Elixir Eに行きついた.ゲレンデでショートターンやコブの練習もできるようあえて一番短い165cmを選択.
ATKを載せたのは担ぎのある山や小さい斜面で細かい立ち回りが必要なときにElixirがピッタリと思い,あえて一見ミスマッチなツアービンディングを取り付けた.普通はマーカーのスクワイヤーとかが多いのかな?
感想はまた追記します.
終わり
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