2018.9.3 5日目(利尻島&稚内)
体内時計が良い感じに狂ってきて3:00でも苦もなく起きられるようになってきた.まだ辺りは暗いがサッと朝食を済ませる.今日は念願の利尻富士に登る日.朝からワクワクが止まらない.ヘッドライトを付けてゆっくり歩き始める.
目次
利尻富士・鴛泊コース~クライムオン~
今回登るルートは一般的な鴛泊コースだ.標準CTはキャンプしていた利尻北麓野営場を起点に登りに5時間5分,下りに3時間45分の計8時間50分と山旅するには丁度いい負荷だ.天気を合わせて島に入ったのもあって快晴とまではいかないが天気は高曇り.ガスがかかって天気が全く読めないことで有名な利尻富士の凶悪さを考えると及第点だろう(笑)
標高が700m程の六号目まで登ると視界が広くなってきた.昨日堪能した礼文島もばっちり見える.
花は全く分からないが年食った時に後悔しないように極力撮るようにしている.こいつはイワギキョウ.その場でスパッと同定できるようになりたいなぁと…
標高1200m.長官山まで来ると目標を捉えた.流石にかっこいい.多くの北の旅人が利尻を目の前にガスガス虚無地獄に迷い込んだことを思えばちょっと曇っているくらい可愛いもの(笑)
リッキーは私の高校時代の山岳部の同期なだけあってサクサク進む.こんな辺境の地まで来て山登りしてくれる友人に感謝しかない.
頂上が近くなると風も強くなってきた.思わずウインドシェル替わりのストクルを羽織る.
間もなくして頂上!!私もリッキーもいい顔!
そしてこの展望よ!!360°,山から海へ続く渓谷美と絶海の孤島感はこの山でしか味わえないと思う.あまりいい写真を残せなかったのが残念で仕方がない(笑).次は残雪期に来てみたい.(いい山ほど雪の付いている時期に来てみたくなるものなのだ!!)
北国を味わえ!!~利尻島を添えて~
13:20.利尻富士の下山後は麓の利尻富士温泉で汗を流し,利尻島の一周に取り掛かる.一周と言っても約55㎞しかない.(本当は一日かけてゆっくり回りたいが)原付だと2時間そこそこで回れてしまう距離だ.しかし天気は下り坂なので今日中に稚内に舞い戻る必要があり,フェリーが出航するのは17:35…
全然時間がない!!
いつもそうなのだが行きたい所を詰め込むとこうなってしまう.ゆっくりしている暇は微塵もない.
そこで礼文島と同じように要所だけは抑えるように回ることにした.
名物・ミルピスの襲来
何故有名なのかは皆目見当がつかない.とりあえずツーリングマップルにも乗ってるし,旅人間でもそこそこの知名度を誇るのがこの飲み物・ミルピスである.
いざ飲んでみると…美味い!!さっきの温泉上がりに飲みたくなる味だ!
とりあえず自家製の乳酸飲料であることは分かった(笑).
しかしおばちゃんがお土産に発送できるとしきりに勧めてくるので,さながらパンチを避けるボクサーのように断って店を後にした(笑).
白い恋人聖地巡礼
北海道のお土産といえば…ミルピス!!!
ち,違う…白い恋人だ.
そのパッケージ絵に使われている山がそう.利尻富士なのだ.これには驚きだ.
しかしいくら仲が良くてもこういう場所は野郎二人で来るには躊躇してしまう(笑).
しかし利尻富士は普段の本領を発揮してしまい,頂上は雲の中.ある意味そうでなきゃ立ち止まりすぎてフェリーの時間には間に合わなかっただろう.また来るしかないね.
ラストはペシ岬へ
道は快適そのもの.信号もなく山の外周をひたすら走ることができる.至る所で高級昆布の利尻昆布が干してあり,島での生業もほんの少しだが垣間見ることができる.
フェリーの就航一時間前には一周は終えて鴛泊へと戻ってきた.ほんの2日程度しか滞在できなかったがもう名残惜しい.最後のダメ押しにペシ岬に登ってみることにした.
思わぬ不運と幸運
稚内へと戻るフェリーであろうことか私は大学の成績を見ていた.薄々今見るべきではないと気付いていた.しかし今日が成績発表で気になってしょうがない.そろりそろりとPDFをめくると現れたのは「F」の文字.
泣いた…
必修の単位を一つ落としていたのだ.(後の私はこの科目の単位を取るのに再々履まで引きずることになるとは思いもしない)これが思わぬ不運だ.
しかし思わぬ幸運もすぐに舞い込んできた.北海道ツーリングに来ていたおっちゃん達と話が合って稚内でご馳走してくれることになったのだ!!お金がなくてまともな海鮮丼すら食べられずほぼスーパーの総菜なんかで済ましていることを話したのがきっかけだった.
泣いた…
おっちゃん達は驚くべきことに私たち二人にうにいくら丼をご馳走してくれたのだ.同じこの世の食べ物かと思うほど美味かった.しかしそれ以上に見ず知らずの汚い学生二人に一飯の飯をご馳走してくれたおっちゃん達の気持ちが嬉しかった.丁寧にお礼を言って別れた後もしばらく嬉しくて感極まったのを覚えている.
私とリッキーはお金のある社会人になったらこうして旅する学生にご飯をご馳走してあげようと心に誓った.
日本最北の地・宗谷岬へ
2018.9.4 6日目(稚内~宗谷岬~雄武)
朝起きると空は鉛のように重い.幸いにもまだ雨は降っていない.今日は宗谷岬を通過してできるだけ南下する.行けるところまで行く.これくらいざっくりした計画くらいがちょうどいい.
宗谷岬にはあっという間に着いてしまった.原付なので全くもって苦労はない.しかしこのモニュメントに来て初めて北の旅人の仲間入りできた気がした.この場所に来ても何かあるわけではないないがそこには大きな意味があった.言葉にはできないがとてつもない場所に来れて妙に大人になれた気がした.
↑大したことはしていないが微笑ましく読んで頂ければ幸いです(笑).
台風直撃??寝床どうするか問題
宗谷岬をクリアしたのはいいが一つ懸念事項があった.そう…台風の残党が近づいていて今晩直撃するのだ.私たちにとって世間の情報が唯一入ってくるTwitterでは「関空が水没」だとか「大阪でトラック横転」なんかのとんでもないニュースでTLがざわめいていた.その悪名高い台風21号の残党なのもあって今夜の宿決めはかなり難しい.
テント張って寝れるのか??うーーーん…
とりあえず南下だ!!
天気はいいが風はかんなり強くなってきた.原付だと真正面に風を受けるとほんとに進まないので,頑張って体勢を低くして走らせる.
そして考えた末に出した結論は…
よし…潔くテント泊を諦めてバンガローに泊まろう!!
普段無料のキャンプ場や空き地でテントを張っているので重課金だ(笑).キャンプ場には流石にだれもいないかと思いきや,自転車の旅人2人組が暴風の中必死にテントを張っていた.
リッキーも満足そう.これで一晩快適に寝られますな!しかも電源付き.
さらに素晴らしいのは隣接のホテル日の出岬の露天風呂が最高すぎた.(北海道はどの温泉でも外れがなく最高なのすごすぎる…)
風呂あがりは連日の疲れであっという間に寝てしまった.
終わり
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