北海道原付ツーリング①|新日本海フェリー・舞鶴-小樽航路を攻略せよ

「原付乗るようになったし北海道原付で回らん?それも山登り込みの…」

私はそう電話口で高校山岳部の友人リックにぶっ飛んだ話を提案した.当時の私にとって北海道は果てしなく遠くて広い未開の地という漠然としたイメージしかなく必ず学生のうちに旅をしたいと思っていたところであった.

返事は快く「OK」とのこと.

全てテント泊という縛りで二週間を目途に各地の目ぼしい場所を巡ることになった.

目次

合流は舞鶴港

2018.8.30 1日目

今日も京都は相変わらず暑い.茹で上がるような中,荷物が満載の愛車の原付・ジョグポシェのエンジンを始動する.

私は京都,リッキーは兵庫に住んでいるためフェリーターミナルで待ち合わせをすることになった.それまでは束の間の一人旅だ.

かやぶきの里

舞鶴までは大人しく幹線道路を使えば早く着くがそれだと面白くないし山間の峠道をいくつも越える道を楽しむことにした.京都でも観光地の喧騒から離れると昔ながらの集落が点在しているいかにも日本の原風景というような道が多くてポイントが高い.しかし暑くて暑くてヘルメットはサウナ状態.ただ座っているだけの乗り物ですら疲労感を感じることに私は驚きを隠せなかった.

家を何となく早く出たため舞鶴にはそうとう日が高い時間に着いてしまったが天の橋立まで行ってみたり,舞鶴市内の温泉(光の湯:720円)に入ったりしてただただ時間を潰した.

ソワソワしながら待っていると荷物満載の原付が向かってきた.

リッキー「おっす!久しぶり!!」

こういう旅の待ち合わせはいつになっても新鮮で良い.旅の始まりを急に実感してにやけてしまう.

フェリーターミナルで受付をする頃にはすでに暗かった.港はどこぞの遊園地のアトラクションかの如く巨大な船が闇の中煌々と輝いていてテンションが上がらない訳がなかった!

今回乗るのは新日本海フェリーに全部で8隻あるうちの「あかしあ」.これで小樽まで丸一日かけてワープする.時間がないと中々乗れない贅沢な乗り物だ!

バイクのエンジンが一斉にかかり出しテンションが上がる!!

しばらくはターミナルで夜食を食べたりして出航までの時間を待っていたが,バイク乗船のアナウンスが鳴るとぞろぞろと旅人たちはそれぞれの愛車の元へと向かう.待機しているバイクの台数はかなりあったが,当然その中の原付乗りの姿は私たちだけ(笑).乗船間際ともなれば一斉に勇ましいエンジン音が響き渡ったが,貧弱な我々のバイクの音はその中にかき消されてしまった.

出航!船旅の始まり

原付はアウェイな感じでちょっと寂しい.

係員の指示に従い,次々とバイクが船内に格納されていく.今か今かと自分の番を待っていよいよ乗船.これがまた不思議な感覚でスターウォーズの巨大な母船に侵入する小型船のパイロットのような気分(笑).

船内ではまた別の係員の人たちが誘導してくれて無事に乗船完了.バイクはハンドルロックをした上で床面の金具やバンドを駆使してガッチリ固定されるし安心だ.

居住スペースはかなり広くて船内探検が楽しい.

船内で一日過ごすための持ち物を揃えると車が乗船してくるのを横眼にいそいそと客室へと向かう.

メインエントランスで昭和チックな旅情に浸れる.最高だ!

ここで大事なのが,無料のロッカーを確保して一番風呂に入りに行くということ.

無料のロッカーは数に限りがあるし,風呂は早く入らないと湯が汚れてしまうのだ.これは船内にいち早く潜入できるバイク乗りの特権かもしれない.

そして風呂上りにはデッキに上がってチューハイで久しぶりの再会と旅の無事を祈って乾杯!生ぬるい夜風に当たりながら離れていく港の灯りを見守ったのち,その日は収まらない興奮を酒の力を借りて眠りについた.

2018.8.31 2日目

翌朝8:00.アナウンスとともに起床.早速朝風呂へと向かう.朝に湯舟に浸かれる贅沢ができるのは素晴らしい!旅をしていると汚い雑巾のような暮らしになるけれど船内は完全に動くホテル.

出航時,風呂は海側に向いていて暗くて何も分からなかった湯舟からはどんよりとした日本海が一望できた.比較的海は穏やかだったが湯面は海のようにゆらゆらと波打っていて船特有の湯舟を楽しむことができる.

しかもサウナも付いていて言うことはない!!

入浴後は事前に用意してきた朝飯を食べて船内の散策.船内にご飯を持ち込むとかなり飯代は安く抑えることができるのでオススメ.

船内は基本電波が入らず,ケータイはほとんど圏外の状態.それ故暇を持て余すことになるのだが,嬉しいことに船内イベントが多くて楽しい.クイズラリーやビンゴ大会,さらには船上コンサートなんてものもある.もちろんフル参加させて頂いた(笑).

クイズラリーでは見事景品があたって,北海道上陸前に北海道を味わうことができた(笑).

ツーリストAの客室

やることがなくなってゴロゴロしては風呂に入ってを繰り返していると日が暮れて,小樽に到着した.その頃には半袖では心なしか寒く感じ,北海道にやって来たんだと実感した.

北海道上陸!~小樽の街~

下船は乗船とも違って慌ただしい.チケットをフロントのお姉さんに見せて車両甲板へと降り,一日ぶりで既に懐かしいジョグポシェのエンジンをかけ,アカシアを後にする.

スーパーで食糧を調達し,まず向かうはもちろん小樽運河.趣のある景観だが思ったよりこの運河の区間は短くてびっくり.下船した日にここに来て効率のいい観光ができたし,昼は帰りのフェリーの待ち時間にでも回れば十分だ.

観光はほどほどにして,野宿する公園へと向かいすぐに寝てしまった.

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