スキー板には車の車検のようにチューンアップというものが存在する.新品の板でもこれをやっておかないとまともに滑ることができない.しかしこのチューンアップ…店に預けて手元に戻ってくるまでかなりの時間を要する上,所有する板の台数が多いと財布に大打撃を与える厄介な存在だ.そこで自分自身でどうにか手入れできないかと思った結果ついにエッジを整える道具たちを導入することにした.
目次
準備するもの
準備するものは次の通り.私はまだ仕上げのばり取り用のオイルストーンを入手できていないので早急に入手したい…この他に掃除道具や削りカスで滑走面を傷つけないための養生テープがあってもいいかもしれない.クランプやワイヤーブラシはホームセンターで購入した方が安くつくだろう.またスキー板を固定する万力(スキーバイス)も必須の道具だ.汎用品で代用できないこともないがやはり専用のものを用意したいところ…
エッジのチューンアップとは?
そもそもスキー板のエッジのチューンアップとは専用のやすり「ファイル」で角度を付けることだ.
新品の板であればもちろんエッジに角度が付いていないし,中古の板では傷んだボコボコのエッジを整えてやる必要がある.
エッジに角度を付ける場所は2箇所あり,それぞれサイドエッジ,ベースエッジと呼ばれる.
小難しいが次のように考えてもらっても問題ないと思う.
〇サイドエッジ=スキー板が雪面にささる具合
〇ベースエッジ=スキー板が傾く(角付けする)までの遊び具合
私の所属する基礎スキー部ではサイドエッジ88°,ベースエッジ1.5°に設定するのが慣例になっている.大回り専用機,いわゆるロング板であればベースエッジは0.5°に設定するのがよい.
ベースエッジを整える
サイドエッジがある程度削れたら続いてベースエッジを削ろう.
滑走面が切子で傷ついてしまうので養生テープを張っておくのがオススメ.
サイドエッジを整える
①スキー板を垂直にセット
②ボーダーを削る
次にかなり細かいところだが,サイドエッジを整える際にスキー板の側面にあるエッジを保護している出っ張り「ボーダー」が邪魔になるので削る必要がある.
2021.2.23 追記:先日,某スキーショップの店員さんに「ボーダー」について聞いてみたところ,削るべき箇所はエッジに接する「サイドウォール」ではなくエッジとサイドウォールの間に挟まる薄いメタルの層であることが発覚した.スキー板によってボーダーは固いこともあるようなので力加減は板によって調節したいところだ.
③やする
ここまでできたらあとはやすろう.
この時ポイントになるのがファイルをなぞる方向は一方向にスライドさせ,力をいれすぎないことが重要だ.
上手くエッジを削れると切子がこんな感じの螺旋状になる.
仕上げ
仕上げにはエッジのばりの処理を行おう.丹念にチューンアップしたいときはそれぞれファイルガイドをあてがえばいいが基本的にはそのままエッジに沿わせるようになぞってあげるだけで問題ない.道具にも色々あるけど基本的にオイルストーンだけで十分だ.
まとめ
ベースエッジ→サイドエッジと順に削り,ファイルの目を変えて同様の作業をすればオーケー.またエッジが鋭すぎて引っかかると感じる場合は「ダリング」を行い,若干トップとテールのエッジを丸くすればスキー板の乗り味はマイルドになる.必要に応じてエッジを自分好みにチューンアップ&メンテナンスできればスキー板への愛着も増すことに違いない.
終わり