お待ちかねの板選び!!山スキーやBCスキーにおいて生命線とも言えるスキー板は性能や種類も様々.ここでは私が太板を選ぶ時に大事だと感じたポイントについて忘備録的に紹介する.あくまでも選定基準は一個人の価値観に過ぎないのでご了承頂きたい.またスキー板は滑走の技術レベルに応じて必要な性能が異なる点にも注意してほしい!!参考までに私はスキー検定1級程度しかありません…
目次
試乗はめちゃくちゃ大事
競技として求められるものが同じ基礎板(GS板やSL板)ですら性能や乗り味は千差万別なのに,製品を自由に開発できる山板が全部同じ乗り味の訳がない.コスメ(=トップシートの絵柄やグラフィック)や流行りだけで選ぶと泣きを見ると感じた.
まずは中古市場に落ちてる万能な太板(センター幅100mm/長さ175cm前後)で1本目の特徴を知るのがオススメ.私は試乗会とお試しに買った中古のK2(COOMBACK)で太板の特徴を掴んでから本命の購入を決めることにした.もうちょっと太さ/長さが欲しい,ブーツ取り付け位置,板のフレックス,ロッカー/キャンバーの割合etc…
本命の板選びで必ず経験が活きてくる.ボロボロの板なら傷つけても落ち込まないし,また同じような値段で売れるし損する要素もない.例え売れなくても春用の捨て板として置いておけばいい.
迷った時はジャケ買いでいい??
あえて逆のアプローチの話もしておこう.
「とりあえず登って滑り降りればそれでいい!!」そう思われる方も少なくないとは思う.
ならばいっそのこと一目惚れしたスキー板のコスメだけで決めてしまうのも無しではない.スキー板は高いモノではあるけれどハイエンドモデルのものでも20万円もしないのだ.これが車や洋服であればそうはいかない.総じてスキー板の価格帯が10万円前後に収まっているのである.端的に言うと全く滑れないようなゲテモノもほとんど存在しないのだ.事実,情報集めで山スキーショップを渡り歩いた際に「分からなかったら最初は直感でもいいと思う.」という話を店員さんから聞いたりもした.
私としては,本当は板それぞれの性能差は大きいし,購入には試乗等を通してしっかり吟味したいところではある.しかし気に入った板に自分の技量を持って乗りこなしてやるという考え方もできるだろう.
どういう性能を重視する?
まずは自分がしたいことを明確にしよう.オールラウンドな板は確かに何でも卒なくこなせる.しかし光った特徴がない.やはり中古でまずオールラウンドな板の性能を知った上で本命の板には振り切った性能で選びたいところだ.とはいえ同じ太板と言ってもそのコンセプトは様々.
・ツアーに特化して長距離を歩く超軽量の板
・オープンバーンを高速で滑る滑走系の板
・トリックを決めるために特化したフリーライド板
・パウダーを滑るのに特化したパウ板
・ゲレンデの不整地を楽しく滑れるオールラウンドな板
・FWTを始めとしたコンテストでクリフジャンプに耐えうるようなエキスパートな板
etc…
故に一概に皆が持ってる板が自分にとっていいかは分からない.また,一番避けたいのは自分のしたいことと真逆の性能に振り切った板を選んでしまうことだと思う.こうなると悲惨としか言いようがない.一例を挙げるとdpsみたく滑走に振り切った板は堅いし決して万人受けしないと思う.
着目するポイント
太さ(センター幅)
これもまた難しいが冬と春をどれだけ滑るかで決めていいと思う.よく見るのが一本だけ買うならセンター幅90~100mmがベストというアドバイス.まあ概ね正解だと思う.しかしこれは上述のようにオールラウンドな板の特徴の一つでもある.個人的には105mmくらいがいいと思う.
正直どんな太さでも如何なる雪も滑って降りることはできる.どこまで登坂の楽さ,滑走の楽しさを追及するかで板の太さは決まるだろう.
ゲレンデの圧雪バーンで楽しいのは70mmくらいの基礎板.
何でもこなせるオールマイティーな太さは80~100mm.
深雪で楽しいのは最低限100mm以上といった感じだろうか.
最初私が疑問で仕方がなかったのがミリ単位の差でそこまで違うものなのか?ということ.驚くことにこれが全く違う乗り味になる.それだけ板の雪に接する表面積はバカにならない.
長さ
センター幅が重要視されがちだけど長さも相当大事だ.私の場合,中古のK2は長さ174cmでも深雪では短いと感じた.私は板の長さで散々迷いに迷った結果…パウダー用には184cmの板を購入することにした.しかし結果としてはかなりアルパインよりとなった.
追記:深雪滑走が多くなるツリーランでは板が長いと扱いにくい局面もあるので長さよりも太さで選んだ方が良い.立山みたいな広大なアルパインのオープンバーンなら180以上くらいのが良いかも.けど割合的には厳冬期はツリーランの方が多くなるはず…
一方で春板に購入したblastrackは176cm.パウ板の184cmと春板の176cm…慣れの問題を加味しても正直段違いに短い方が登りで扱いやすさに差が出る.
そのため始めの1台は長くても170後半くらいがいいと思う.
ラディウス(回転半径)
唯一懸念していたのはラディウス.いわゆる回転半径である.しかし私は一つ勘違いをしていた.
ロッカーが入ると有効エッジは思っているより短くなる.
つまり必ずしも「長い板≠扱いづらい」という訳だ.なので長い板の取り回しは有効エッジ長に依存する.必ずキャンバーとロッカーの割合は確認するようにしよう.乗り味も全然違う.
フレックス
一般に高速域を想定した板は硬い。極端な後傾、内傾、ローテーション等でポジションがイマイチなら硬い板は合わない(というか乗っても楽しくない)だろう.
特に山はツリーランを始めとして意外と小回り的な要素の滑り(低速域)が多くなりがちで,操作性の高い柔らかい板が必要な局面は多いはずだ.故にカチカチのスピードマシンみたいな板が誰しも必要ではないはずだ…
この板のフレックス(堅さ/柔らかさ)は技量や筋力によっても感じ方が違うので実際に試乗してみる他ないのが難しいところ.
どこで板を買う??
リアル店舗
安心!!安全!!が保証されている.本命を買うならここしかない.
アフターケアでチューンアップの依頼や金具の取り付けもお願いできるし,仮に板を壊しても修理不能書を発行してもらえる.中古や個人輸入にはない大きなメリットだ.
中古
良質な板が格安で手に入る可能性があるワンダーランド.一方,ゴミ同然のような板も大量に出品されいるので多少目利きは必要.間違えて購入してしまったら同じ値段で再販すれば大抵の場合売れると思う.金具の取り付けやチューンは自身で行うのが前提となる.
海外通販
新品の型落ちの板が半額で売られていたりして夢がある.関税や輸送費も勘案する必要があったり,梱包が怪しい場合も多いので要注意.
まとめ&私の買った板
僕は基礎をかじったこともあって多少重たくても滑走重視のdpsの17-18シーズンのWailer A106をパウダー専用機に,Blastruckの16-17シーズンのfartherを春板に据えることにした.登りも滑りも目的となりうるなら滑走重視の方が都合がいい.
逆に登坂に振り切った板はバタつくから初めから選択肢から除外した.この記事が皆さんの参考になれば幸いです.
終わり
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