スキー板を安く手に入れたい!!そう思う人も少なくないだろう.安く手に入れる時にチェックするのはどんなものも決まってヤフオクやメルカリ,ラクマが主流になってきた昨今.今回はそういった中古市場でスキー板を安く購入しようと目論む貴方が痛い思いをしないようこの記事を作成した次第である.前提となるのが状態の良い板はほとんど出回っていないということを肝に銘じて欲しい.粘り強く待って待って初めて良い板が巡ってくるので根気が必要だ.
目次
見るべきポイント
ソール長
せっかく買ったのにブーツが取り付けられない.
それだけは避けねばならない.そこで確認するのがソール長.ショップに丸投げで購入した方はもしかしたら知らないかもしれないがいわゆる靴のサイズである.大抵はスキーブーツの踵部分に,例えば「305mm」と記載されているので確認しよう.
中古の板は当たり前であるが前オーナーのソール長に合わせてビンディングがセットされている.ビンディングにもよるが前後に動いて調整できるものもあるので合わせて購入予定の板に取り付けられているビンディングの種類も調べるのがオススメ.
さらにビンディングを動かす場合,基本的にドライバーが必要となるのだが場合によっては一般家庭にはない「ポジドライバー」が必要となることがある.ポジドライバーは通常のドライバーよりも一回り大きいため,うっかり普通のドライバーでネジ穴をなめたり,潰さないように気を付けたい.
ビンディング取り付け位置
ソール長とはまた違った話.
スキー板にはそれぞれのメーカーが定めた推奨のビンディング取り付け位置というものが存在する.基準となるのはブーツ中央のブーツセンター.これをどこに合わせるかでビンディングの取り付け位置も変わってくる.通常は「メーカー推奨位置」にブーツを合わせて乗るものだ.しかしフリーライド系の板は一概にそうとも言えず,パークで遊んだりやトリックを決めやすくするために「どセンター」にブーツを合わせていたりする.
よく分からなければ出品者に問い合わせてみよう.それでも分からなければ見送ることも大事だ.
前オーナーとは違うビンディングを取り付けたい場合
中古板である以上,ビンディングの穴は必ずあるものである.前オーナーが使っているビンディングをそのまま使う場合は全く問題ないのだが,板のみでの取引やビンディングを外して違うビンディングを取り付ける場合どうしても穴を埋める必要があったりする.
この場合デメリットとして,自由な場所にビンディングを取り付けられない可能性が非常に高い.私が購入した残雪期用の板は状態こそ完璧なものの,前オーナーが開けた2種類のビンディングの穴で穴だらけ.そこで穴埋め作業を行った.詳細は下の記事に書いたので合わせてご覧ください.
スキー板の破損(反り&エッジの剥離)
そもそもスキー板が「どのように壊れるか」認識している人はどれくらいいるのか?かなり疑問である.
長年乗られた板は多かれ少なかれ爆ゴケ(大クラッシュ)を経験しているものである.場合によっては不整地やコブでトップから刺さって転倒.なんてことはザラだ.そうした場合に板は壊れてしまうことがあるのだが,オーナー自身も板が壊れていることに気が付かずそのまま乗っていることも少なくない.
「反り」とは文字通りスキー板が新品の時よりも反ってしまう現象.反り方は多種多様で片方の板だけ反ったり,逆に異様な張りが生まれるような逆反りというものもある.
「エッジの剥離」とはこれも文字通り,エッジがスキー本体から剝がれてきてしまう現象.金属製のエッジは板に接着剤で貼り付けて製造されているが,経年劣化や度重なる使用で本体から剥がれてきてしまうことがあるのだ.正直エッジの剝離は素人目には判別できません.
いずれもスキー板本来の性能を引き出すことはできないため,不安な場合は出品者に「板の反りやエッジの剥離はありますか?」と問い合わせよう.答えられないなら買わなければそれで済む話である(笑).
「板の反り」と「ロッカー」は別物と区別したい.
この場合キャンバーしかないSL板であるのにまるでロッカーが入った板のような風貌になっている.
スキー板のヘタリ
おそらく中古で出品されている大抵の板はヘタっている.長く乗った板は板そのものの張りがなくなってしまうのだ.しかし一般スキーヤーが年に数回ゲレンデで滑って楽しむ程度なら,そこまでこのヘタリは気にならないだろう.一方でスキー板の張りがシビアに求められるアルペンスキーや基礎スキー等の競技を本気で取り組むなら中古で板を買うのはオススメしない.当たり前だがこういう人は新品を購入した方が幸せになれる.
張りがないと板を合わせたときに空間が少なくなっている.
滑走面
滑走面がボコボコ…
しかし一般スキーヤーがそのボコボコを滑りで感じられるかと言えばかなり疑問である.各スキー競技のプロをはじめ,タイムを競うアルペンをするというのならまた別かもしれないが,少なくとも一般スキーヤーが滑って楽しむ分には滑走面が多少傷ついていても全く問題ない.
どうしても気になる場合はショップに持ち込んでチューンを行ってもらうか自身でリペア用のキャンドルを購入すれば凹凸は気にならなくなるはずだ.ただし滑走面が傷付きすぎて芯材の木が見えているのはダメ.最悪自分で滑走面を埋めることもできるので下の記事を参考にして欲しい.
エッジ
自分でエッジを研げる人ならある程度どんな状態でも問題ない.
しかし手入れを店に丸投げするというのならエッジの錆,ガタツキは確認しておきたい所だ.特にエッジは重要で板の挙動を簡単に変えてしまう.手入れに自信がないなら中古の板を購入するのはオススメしない.しかし,エッジの手入れ自体は思ったより簡単なので是非こちらの記事も見てほしい.
携行品損害保険には出せない
当然ではあるが修理不能書は手に入らないのでいくら高額な中古板を購入したとしても保険を出して保険金を受け取ることはできない.修理不能書という証明書が手に入らないのである.リアル店舗で板を購入すると高額かもしれないが,板が壊れてしまった際に保険をかけていれば保険金で新しいスキー板を錬成できるというメリットもあるのだ.
ただしこの携行品損害保険…スキー板の盗難と紛失に関しては保険適用外.あくまでもスキー板の破損(スキー板の反り・エッジの剥離)のみであると心得ておきたい.
まとめ
総じて中古のスキー板の状態が良いか悪いかを写真と出品者の商品説明のみで判断するのは非常に難しい.しかも滑走面やトップシートがキレイでも出品者が滑走日数を偽っている場合や何代目のオーナーか分からなかったりすることも多い.そのため自信がなければ私はリアル店舗で新品のスキー板を購入することをオススメしている.しかし「センター幅の違う板を試してみたい」とか「ボロボロになってもいい春先に乗る捨て板が欲しい」というニーズには合致していると思う.上手に中古板ライフを満喫して欲しいと願うばかりである(笑)
蛇足だが海外通販でも格安新品でスキー板を購入できる場合もあるので合わせてチェックしてもいいかもしれない.
終わり
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