目次
概要
2022.7.1(金)~2(土)
GW以来まともな山行に行けてなかった間に夏になってしまった.正直体の暑さ耐性はゼロで不安だがとにかく今動くしか活路はない.さらに,「梅雨明け後の晴れる1週間」を逃す訳にはいかないので電撃で再び黒部へ向かうことにした.黒部源流域はここ一年で通算4度目.通っても毎回違っていて飽きない.
結果,狙い通り夏空の黒部源流域を歩くことができた.特に雲ノ平は誰一人おらず素晴らしいの一言.黒部川下降~祖父沢遡行もあまり例を見ない比較的面白いルートを引けたと思う.恐怖の雪渓歩きや渓流釣り等コンテンツ盛り沢山の充実した山行になった.
7/1(金)
6:40 折立出発
8:35 太郎平
10:05 薬師沢小屋
12:30 雲ノ平山荘
13:40 祖父岳
14:15 岩苔乗越
15:00 黒部源流標
17:30 祖父平
7/2(土)
5:00 起床
6:00 出発
9:00 雲ノ平キャンプ場
11:00 薬師沢小屋
12:50 太郎平
14:30 折立
食料 食べたものだけ記載(予備は別に所持)
1日目
ウイダー 182×2
ランチパック 306
薄皮りんごクリームパン 107×5
カレー飯 465×2
2日目
カレー飯 442×2
カルパス 238
吹雪マン 270
スローバー 183
水は適宜沢で給水
詳細
長いアプローチ
黒部源流への長いアプローチは家を出た所から始まる.バイトを終えて寝る間もなく,22:00に京都を出発.現状私の自由に使える足は125㏄のバイクしかない.車ならどうってことはないが完全下道で走らないとならない.京都~富山の折立へはグーグル先生によると7.5時間かかるらしい.片道330km.マジすか.毎度,ソロでアルプスに向かう際は何よりもこの「アプローチ」が辛い(笑).
早く車が欲しいと文句を言いつつも何だかんだ来年からは社会人なのでこういうバイクのアプローチも貴重かもしれない.
気合でどうにか有峰林道の亀谷ゲートの6:00の開門時間に滑り込んだ.折立は中部北アルプスの一大登山口であるにも関わらず,「門限」が決められているせいでかなり山行の自由度が下がるのがもどかしい.「門限」の制約に縛られないようにするには自転車しかない?!
無事折立に到着.ここでツーリング装備を解いてザックにパッキング.準備ができたらさっさと出発だ.
ゴリゴリに整備された登山道をズンズン登っていく.折立~太郎平は大きな登り返しもなく道も綺麗なので愚直に標高を稼いでいける.お隣の飛越新道とはえらい違いだ.序盤の標高1869mの三角点地点くらいから頭上が開け始めるので気分も良い.
が…6月から異様な暑さで体も適応に追いつかず若干体が重い.標高をすぐに上げないと!
太郎平を捉えてからはほぼ水平移動でお散歩気分だ.進行方向左手には薬師岳がそびえ立っていてすごい迫力.岩井谷を挟んで薬師岳へと伸びる通称「ハイジ尾根」も楽しそうだ.また別の機会に訪れよう.
飛ばしたこともあって2時間切りで太郎平に.日帰りトレラン装備ならもっと軽快に進めるだろう.
目指す雲ノ平が彼方に.遠いな~~.一旦降りてまた登る感じね.最低部は薬師沢小屋の1912m.太郎平から400m近く降ります.
薬師沢出合から雲ノ平は鬼の急登.登山道はほぼ岩で構成されていて全身を使って登っていく.下りより登りが好きなはずなのだが今回ばかりは辛かった.滴る汗が目に入って痛い.やはり運動しても気持ちよくなれない夏はダメだ…
450m程登ると急登が終わり,雲ノ平の片鱗が見え始める.ここまで来れば今日の登りパートはほぼ終わり.気持ち的にかなり楽になれた.
誰もいない雲ノ平
初の雲ノ平.いいじゃないか!誰しもが憧れる北アルプスの有名スポットについにやって来た.日本最後の秘境と言われているのにも納得だ.バリエーション的なことをすれば局所的な秘境はいっぱいあるけど誰しもが到達できる秘境というのはあまり多くない.←あれ,これ秘境っていうのか?(笑)
広々した台地に木道が続き,彼方には水晶岳を始めとした名峰がズラリ.人間は自分1人だけ.最高です.雲ノ平は有名な「秘境」故に誰もいない時期に行くことに価値があると思った.
小高い丘になっている祖母岳に登ると雲ノ平の全容を確認できる.360°色んな山を見渡せるが,何よりも水晶岳が遠景として鎮座しているのが雲ノ平の良さなのだろう.
黒部川下降
時刻は14:15.夏至をちょっと過ぎ,日がかなり長いとはいえあまりのんびりする時間ではない.この源流部から祖父平までどれくらい時間がかかるかは正直未知数だ.雪はなくなったとはいえ沢沿いにはたっぷり残っている.
序盤の黒部源流標までは夏道が出ていたのでCT通りに降りれた.
登山道も終わり,雪渓が残っている区間へ突入する.トレランシューズの出番はここでひとまず終わり.沢装備に着替えよう.
下は3mmのウェットスーツとサワークルーザーで完全装備.前まで履いていたサワタビは足裏が薄くて長時間履くと痛い上にラバーは滑る曲面が多いので新たにサワークルーザーを導入した.初めてのフェルトソールは全く滑らなくて感動した.ぬめりに対してフェルトが効くって発見した人天才か…
雪解け水で水量も多い.水も相当冷たい.仮に雪渓を踏み抜いて落ちたら命はないだろう.
幸いにも雪渓の厚さはかなりあった.沢の流心を歩くのは論外だが,岸近くならまだ大丈夫だろう.とはいえ岸辺も薄くなっているので注意が必要だ.
雪渓は1箇所だけではなく途切れ途切れで5~6箇所.それぞれ長さは100~300m程と様々だった.時として雪渓上を右岸から左岸,左岸から右岸と横断する必要があり肝を冷やした.雪渓がなくても水量が多いので安易な渡渉は避け,ルートファインディングに全神経を注いだ.
ある程度下れば雪渓区間はなくなった.とはいえ登山道のようにサクサクは進めないので時間はかかる.この日は一日中晴れる確信があったので計画を実行したが,普通は不意な夕立の可能性も考慮する必要があるので参考にする方は雲ノ平で1泊して周回するケースも検討しよう.
祖父沢出合が近付くと両岸が開けてきた.幕営できそうなスペースもちらほら.いくつか候補の場所を覚えつつ予定していたゴールの祖父平を目指す.
祖父平には17:30に到着.全神経を使って歩いていたのでもうクタクタ.腹も減って仕方ない.時間的にもギリギリであまり褒められた山行ではないなと反省…
祖父沢遡行
朝3:00に起きる予定だったが二度寝をぶちかましてしまい5:00に起床.よく寝たお陰で体力も大分回復できた.ただ昼過ぎから山岳地帯は崩れる予報なのでさっさと遡行して帰りましょう.
とは言いつつも渓流釣りも目的の一つだったので良さそうなポイントで竿を出す.祖父沢は黒部川の本流筋とは違って水温が高い(と言っても冷たいが).沢全体が南面を向いているので恐らく本流筋とは違って雪渓は解けてしまっているのだろう.その為水量は特に多いとは感じなかった.
渓相として岩魚の好きそうなプールが少なくかなり一直線な流れというイメージ.まあ色々言い訳はできてしまうが私の腕が下手くそなのもあり,今回の山行では2匹しか釣れなかった.ぐぬぬ…
昨年の赤木沢では実際友人の方が3倍くらい多く釣っていたし大いに釣りのセンスも関係していると思う.渓流釣りは奥が深いです…場数が足りないのでもっと修行しないとね.
しかしボウズは回避できたのでノルマはギリギリ達成かな(笑).
渓相は本当に穏やかな感じ.難所もなく安心して釣りあがれる.ただし濡れずに歩くのは無理.
雨に降られる前に下山せよ!
時刻は9:00.祖父沢の遡行が終わり後は来た道を帰るだけだ.この後天気が崩れるとは思えない程晴れていてなんか怖い.何なら昨日より晴れてる.しかし時間が経つにつれ次第に西側から雲が湧いてきて曇りに.薬師沢出合~左俣出合の間では,往路では見なかった蛙がちょこちょこ.これ確実に降られるな…
なんとか太郎平までは降られることがなかったが,ここでタイムリミット.今から降ります!みたいな雲が見えたと思いきやガスに包まれ大粒の雨が降り始めた.もう休む間もなく下山開始.お陰でさっさと下山できたかな.標高下げると雨もやみ,登山口の折立はピーカンでした.
結露やら雨やら沢やらで濡れたもの達を乾かしてパッキング.予報を見ると翌日日曜はあまり天気が良くないので土曜のうちに帰ろう…途中でゆ~ランド立山吉峰温泉(620円)と昔ながらのラーメンを「よしろく」で食べ,なんとか25:00に京都に帰還した.いや~我ながら運転頑張ったよ(笑).
終わり
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