【レビュー】雪山用ストックのコンパクターポールを3年使ってみて【BlackDiamond】

登山用のストックは各社から色々なモデルが星の数ほど展開されている.登山を始めた頃は「ただの棒きれやないか!!」と思っていたあさはかな時期も私にはあったが,実はこういう長物の製品は性能差が如実に現れる.今回は雪山用のストックという観点から私の使ってきたコンパクターポールについてレビューしてみようと思う.

特徴

御池岳にて(1月)

ストック自体はオーソドックスで扱いやすい.私の使っているのは18-19シーズンのものだが新型は伸縮する時のロック機構の構造がやや変更されより軽い力で扱えるようになっている.

それに個人的には見た目もかなりカッコイイ部類に入ると思う.ロック機構がたくさん付いているのはなんとなく好きではない(笑).

Zポールテクノロジーを採用したウルトラコンパクトなスキーポール.2019年モデルは軽く,強く,扱いやすくなった新型フリックロックプロを採用.また接続部の改良により耐久性と組み立てやすさが向上しています.

ブラックダイヤモンドHPより引用

重量はまあそんなに軽くはない.実測だと614gだった.ちなみに今の現行モデルはカタログ値で588gなので多少の軽量化がされているのだろう.

長さはどうする?

ストックを選ぶにあたって基準の一つに長さがある.基本的には下の写真のように肘が90°くらいに曲がれば適正な長さだ.

ここでトラップがあって特にこういうブラックダイヤモンドを始めとした海外メーカーは我々日本人に比べて体格が一回り大きい人でも使える商品展開だったりするので,当然このストックも長いサイズは我々日本人には合いにくい.日本人は概ね100~120cmくらいにおさまるので何も考えず短い方を買えば間違いないだろう.それに短いサイズだと軽いってのも良い!!

私も短い105~125cmのものを使用している.

圧倒的な収納性

やはりコンパクターポールにおいて語らないとならないのはそのずば抜けた収納性能だろう.本来ストックといえば折りたたむようなものではなく短く伸縮させても1m前後でかなり嵩張る.言ってしまえばどんなストックでもスノーバスケットを先端に付けてしまえば雪山用ストックとして機能してくれる.ところがストックでは歯が立たない岩場や氷,またはそれが合わさったミックスのような局面ではストックは仕舞わざるをえず,ピッケルなんかに持ち替える必要がある.

ストックが必要ない局面ではやはりコンパクトに収納したい…
塩見岳にて(12月)

そんな時コンパクターポールであればザックに外付けしてもうるさくなく非常にスッキリした状態で歩ける.短くならないストックを外付けして岩に引っ掛けそうになった日には一機減ったも同然だろう.ストックを短く収納できることに関しては圧倒的なメリットなのである.

浅間山にて(1月)

ちなみに同社の製品にはかなり有名なディスタンス(カーボン製とアルミ製が存在)というストックも存在し,これも3つ折りにコンパクトに収納することができるようになっている.さらにスノーバスケットもオプションで用意されているので積雪期に使用しても問題ない.

では何が違うのかとういと石づきの部分が雪山用(スキー用)に比べて丸く短いので雪面に刺さりにくいこと.そしてシャフト部分が細く華奢なこと.この大きく2点が挙げられるだろう.特に雪山においてストックは姿勢の制御以外にも推進力としてストックに力をかける曲面も多いので多少重くても雪山には強度が高い雪山用のストックを持っていた方が良い.蛇足だが私が夏用ストックを買うとしたらディスタンスのウィメンズモデルを買うと思う.

夏用のストックとして流用する

では逆に雪山用ストックをグリーンシーズンに使うのはどうか?

これは全くもって問題ない.スノーバスケットを取り外して,石づきにラバーキャップを付けることで十分グリーンシーズンにも対応できる.

金峰山にて(1月)

振りの重さ

一方これはスキーヤー的な視点から.

スキーを始終扱うスキーヤーにとってそのスイングウェイト,振りの重さはストックの使いやすさに直結する.そういう意味でこのストックはかなり振りが重い.またこのコンパクターポールは3つ折りになるので1本で完結しているストックに比べるとどうしてもガタツキを感じてしまう.ちなみにここでいう振りとは手首を支点にストックを動かしたときの話だ.

そのため同じ雪山でもストックをコンパクトにする必要のないゲレンデスキーなんかには全く向いていないと思う.ゲレンデスキーヤーの方々は普通にゲレンデ用のストックを買った方が幸せになれるだろう(笑).ゲレパウにはゲレンデ用ストックにスノーバスケットを付けよう.

越前三ノ峰にて(5月)

トラバースポールとの違いは?

ただ単に安さを求めるのはトラバースポールやトラバース3ポールという選択肢もある.重さもさして変わらないし,違いはそれこそ収納性くらいのものだ.ここはピッケルを使うような雪山に行くかどうかで決めてしまってもいいと思う.収納性が必要になるのは装備の換装が必要な時だけなのでそれ以外だと十分トラバースポールで事足りる.そして当然だが3つ折りのコンパクターポールの弱点は継ぎ目となるので,雑に扱いやすいのはトラバースポールに軍配が上がる.

写真(左)は旧型のエクスペディション3というモデル
四阿山にて(3月)
白馬乗鞍スキー場にて(1月)
蓼科山にて(3月)

滑走系にはウィペットが最強!?

衝撃なことに,同社からは収納性という概念をも払拭させる最強商品が展開されている.その名もウィペットポール.なんとこのストック,グリップ部分にピッケルのピックが合体しているのだ.特に近年このウィペットは山スキーヤー,BCスキーヤーの使用率が高く,両手にこのウィペットを持つことでアックスを持ち運ぶ必要がなくストックだけで完結してしまう.重量は重いもののアックスが必要ないことを考えるとでかなり装備の軽量化を図れるのは大きいメリットだ.これならコンパクターポールの弱点だった継ぎ目の脆弱性も払拭できるし山での滑り手にはいいことしかない.

私も現在はこのウィペットを導入しようか検討中だ.

白山東面台地にて(4月)

まとめ~3年使ってみて~

現状,コンパクターポールは特に不具合もなく使えている.コンパクターポールはグリーンシーズンも含めてかなり色んな山に連れ回して酷使したが特に壊れることなく使えているのでかなり完成度の高い製品であると言えるだろう.個人的にはバイクで登山口に向かうことも多くこの収納性には非常に助けられた.

この商品は広く雪山に入る人へオススメできるが,特に雪壁登攀を伴うアルパインクライミング等で装備の換装が必要な山行が多い方には便利だろう.また山スキーヤーに向けては自転車なんかでアプローチする際にもこの収納性はかなり助けられるのでオススメしたい.

また気付いたことがあれば追記したい.

終わり