【ネパール周遊】Day10~標高4000mから始める劣悪ネパールライフ~(Pangboche→Chukhung)【エベレスト街道編】

2023.3.2(木)

合計距離: 10498 m
最高点の標高: 4711 m
最低点の標高: 3915 m
累積標高(上り): 895 m
累積標高(下り): -100 m

これだけトレッキングが長いとトレッキング中に宿の人に対して言う便利なフレーズを2つ覚えた.「Thank you for delicious dinner.」と「Well,I’ve got to go.」だ.「ご馳走様でした」と「ボチボチ行きますわ」を伝えられると何となく気分が良い.日本人的なフレーズかもしれないが今後も覚えておこうと思う.

今日も今日とて一日が炒飯から始まった.まだ欧米人の団体は寝ているらしい.7:00前に出発する時でも誰一人として合わなかった.生活リズムが謎である.しかしお陰で静かな朝が過ごせた.良い朝だ.「Well,I’ve got to go.」と言うと宿の親父が今日はどこまで行くのかと.Chukhung(4730m)まで行きますと言うと,親族が経営しているというロッジの名刺をもらった.昨日グーグルマップで見て目星を付けていたロッジだ.有難い.ナイス親父.

周りの山が高すぎて谷に日が中々入らない.時間は7:30.進行方向にはローツェ.
アマダブラムの肩から日が昇ってきた.
日が出ると途端に暑くなる.ダウンパンツをたまらず脱いだ.
石垣に囲まれたヤク牧場.

Pangboche(3930m)を過ぎてからというもの景色がとにかく広大だ.登りだが斜度がほとんどないくらい緩いので全くしんどくない.油断するとスルスル進んでしまいそうだ.少しでもペースを落とすため持ってきた三脚で自撮りして遊ぶ.山の広さは人が入らないと全く分からない.本当は現地人を撮りたかったのだが,トレッカ―はおろか人の往来そのものがほとんどない.聞こえてくるのは自分の足音だけ.風もなく静かでいい朝だ.

何も考えず走りたくなるようなトレイル.
Dingboche(4410m)の手前で川を渡る.川岸は凍っている場所があった.
トレイルを外してもどこでも歩けるオープンフィールドだ.
自撮りの裏側は人に見られたらかなり恥ずかしい(笑).
すれ違うヤクに斜光が当たって神秘的だ.

Dingbocheに到着.電波状況を確認するとどこもかしこも圏外だ.ついに電波難民になってしまって少し寂しい.村も静かでトレッカ―もいない.既に出発した後なのだろうか.高度障害はない.止まらず前進しよう.

Dingboche(4410m)に到着した.
敷地に一つは設置されている湯沸かし器.
こんなもので水が沸くのかと思っていたらしっかり沸騰していた(笑).これはすごい!

Chukhungに向けて指針を東へ.EBCへ向かう道とは違うので恐らくこちらに来るトレッカ―はかなり少なるはずだ.Dingbocheからは実際トレイルが薄い箇所が多々.適当に歩いていると棘だらけの低木の藪に突っ込んでしまいそうになる.

旅から帰ってきて今一度振り返ってみると高度的な影響を一番感じたのはこのDingboche(4410m)~Chukhung(4730m)の区間だ.苦しくて一歩も動けなくなることはないが少しでも歩調を早めるとすぐに息切れを起こす.血が酸素を運べていない.たまらず立ち止まって息を整える.落ち着けオレ.ここでは速く歩いても良いことがない.感覚としてはほろ酔いで息が吸えていない感じに近いかもしれない.急にしゃがんで靴紐を結んだりすると危ないぞ!

振り返えって.Dingboche村と高くそびえるTaboche(6367m).
こんな場所は日本にはないなぁ.少し近いのはトムラウシの辺りか?
Amphu Labtse Tshoのヒマラヤ襞(ひだ).寒気がする美しさだ.
11時を過ぎるとローツェは雲の中に隠れてしまった.ローツェ南壁に挑んで散ったクライマーの慰霊碑が鎮座していた.
本日の目的地Chukhungが見えてきた.ここで1泊しないとこれ以上上には行けないと体で分かった.

Chukhungにはロッジが4軒.迷わずYakLandに向かう.ここでは2泊するのでロッジ選びは重要だ.朝にPangbocheの親父にもらった名刺を見せて紹介してもらったと言うと,部屋代をタダにしてくれるという.今日はこの宿に泊まろう.何か致命的な不具合があれば明日は違う宿に行けば良い.

DingbocheでもそうだったがここChukhungでも電波は拾えない.それに電池の充電も有料だ.手持ちのモバイルバッテリーは10000mAh×1と20000mAh×1.それに一眼レフのバッテリー×5だ.一眼レフはバッテリー1個で写真が200枚.つまり一日分と考えて良い.最優先事項はGPSのログとスマホの地図,一眼での撮影だ.Twitter何かは後回しで良い.これは計画的に電池管理をしていく必要がありそうだ.

独房のような狭さの部屋だが窓からの眺めは良い.というか眺めの悪い場所はない(笑).
電気は基本的に屋根の上のソーラーパネルで賄っているらしい.それにしてもこれは高すぎませんか…

昼ご飯とお茶を兼ねて一息つこう.高山病対策には水を大量に飲むと良いらしい.これは酸素を取り込もうとして自然と呼吸回数が上がり体内の水分が蒸発して失われるというのふが理由らしい.水はがぶがぶ飲めないのでミルクティーのSmall potを注文.すると2Lくらいの魔法瓶が出てきた.嘘だろ?!カップ何杯分か聞けば良かった.結局カップ6杯分もあり最後はもうミルクティーがお腹タプタプ.こんなにも要らねぇ(笑).

昼からはもう動かないのでパンケーキで済ませた.

昼を過ぎると今日もどこからかモクモクと雲だらけになり,次第に辺りはハードガスに包まれた.暇でWiFiに課金したがあまり調子は良くない.たまに途切れたりする.WiFiと言っても期限付きなので24h経てば無効になってしまう.うーーん.

1人で来たことに全く後悔はないが,こういう暇な時に誰か話せる友人がいればなと何度思ったことか.本の1冊でも持ってくるべきっだたな.結局荷物整理をしてみたり,爪をやすって手入れしたり,地図を読み込んでみたりしてどうにか時間を潰した.

ソーラーパネルで充電できる時間が朝の間だけとなると電気はかなり貴重な資源だ.

晩飯の時間になった.今日の宿泊者は私だけらしい.そしてこの宿の運営をしているのは女将さん一人だけ.こうなると大抵居間のストーブは付けてもらえない.今晩はこちらにおいでと女将さんに連れられたのは厨房.厨房はガス式のコンロもあったが,薪ストーブも併用して調理を行っているようだ.主に使用していたのは薪ストーブ.薪ストーブだが投入していたのはヤクの糞だ.それなりに火力も出て部屋も暖かかったので驚いた.こんな設備で,こんな高所で米を炊くのはさぞ難しいだろうなと思いながら今日もダルバートを食べた.

ここしばらくずっと調子が悪かった咳と鼻水も薬を飲み始めて3日目で少しだけマシになったが完治はしないようだ.多少マシになったとはいえ,これが続くなら地味に不快だ.

恰幅の良い女将さん.
Chukhungを始め高所は燃やす燃料すらない.ヤクの糞は貴重な燃料となる.
ニンニクの効いたカレーで美味かった.

目次

今日の収支

※Rs1はほぼ1円

・宿(Yak Land Lodge&Restaurant):Rs0
・Wifi:Rs600
・ミルクティーSmall Pot:Rs690
・パンケーキ:Rs550
・晩飯(ダルバート):Rs700
・朝飯(炒飯):Rs750

∑ Rs3290

行動記録

6:30 朝食
6:45 出発
9:25 Dingboche
11:45 Chukhung着
18:00 晩飯

終わり

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