【南アルプス】笠松尾根から兎岳~聖岳を周回

目次

概要

2021.5.30(日)

今年は梅雨が早くて5月の中頃には梅雨入りしてしまい,山には行けずロードばかり乗っていた.しかし条件の良さそうな休日になりそうだったので急遽,浸食軍団(最近命名した(笑))の3人で南アルプスの聖岳を攻めることに.当初は良くて高曇りくらいになればと思っていたが結果は快晴.一足早く夏山を味わうことができて言うことなし!大満足の山行になった.

Windyでは強風との予報
ほぼMWFの通りだったと思う

ルートはこんな感じ.当初聖岳にはピストンで登ることも考えたが全く面白くないのでバリエーションルートの笠松尾根を使った兎岳~聖岳の周回をすることにした.笠松尾根の情報は少なく様子がイマイチ分からなかったが藪漕ぎもなく踏み跡も比較的明瞭で全体的にかなり歩きやすい部類の尾根だったように思う.しかし易老渡からの取り付く標高差200m程の区間は四つん這いにならないと登れないようなザレザレの急斜面が立ち迎えてるので一般には全くオススメしない.私たちは20mの補助ロープを持って行くことでかなり安全にやり過ごすことができた.

詳細

深夜発のために土曜日をフルで使って前入り.関西から直で芝沢ゲートに行っても時間を持て余すので南木曽岳でトレランしたり,馬籠やら妻籠で軽く観光したりと移動日にも関わらず充実した土曜日となった.

こんな小さい車で大人2人が横になって寝れるとは驚き(笑)
標高差がヤバくて長丁場なのは分かっていたので夕方に飯を食って明るいうちから寝て備える.

芝沢ゲートからの林道の状況(2021.5.30現在)

芝沢ゲートは2018年,2019年の台風で林道が崩落してしばらく歩きでしか易老渡まで行けないと聞いていたがどうやら急ピッチで修復されたらしく自転車で入れるとの情報を得た.ダート区間と舗装区間の割合が分からず正直ロードバイクで走れるか分からなかったが突っ込んでみることにした.

深夜1:00芝沢ゲートよりスタート

芝沢から易老渡までは約4㎞程.基本は舗装路で快適にアプローチができた.

所々でダート区間もあるものの押して突破できる.崩落した林道の箇所は舗装こそされていないものの目の細かいダートなので25cタイヤのロードでも快適に進めた.

ハヤタさんはまさかの自転車忘れ(笑)
小一時間早く起きて早く出発して登山口で合流した

急登に備えて準備する

易老渡~笠松尾根~兎岳

今回の核心部は間違いなくこの取り付き.いきなり崖のように迫る急斜面を登る.

今回は難なくやり過ごすために20mの補助ロープを持参.120cmのスリング×1と安全環付きの変形D型カラビナ×1で簡単に木にロープを設置できるシステムを作った.木にスリングをガースヒッチで巻き付けて,ロープの末端にはエイトノットと末端処理にダブルフィッシャーマンズノットを施した.

クライミング知識は疎いから間違ってたらすまん!

後続の2人は普通の登山道かのように安全に登ることができた.リードする分には木の根やらを掴みながら不安定な足場を繋いで頑張って登るしかなかった(笑)

おおよそ10ピッチ分作業しながら登ったので大体1時間程かかってしまったが無事に普通に歩ける支尾根の末端部に到達できた.

笠松山までは登山道のような快適な尾根歩き.林床には何も生えてないし,打って変わって斜度も緩く何も問題なく歩ける.

シダが生えてきても踏み跡(獣道?)がしっかり付いてる.

笠松山に到着.1976m地点の三角点も発見した.未だ樹林帯の中で眺望はないものの樹の間から南アルプスの稜線がチラチラ見えて期待が高まる.止まっていると寒くて補給するとすぐに出発.

いつ頃付けられた看板だろうか?「笠」の字のタケ冠が辛うじて判別できる程度.

歩いていると青空が!!これは優勝間違いないゾ!!

苔むす森を行く.当然だが自分達のパーティーしかいないので最高に気持ちがいい.時々踏み跡を見失う箇所もあるがすぐに見つけて復帰できるし概ね快適.

ただ笠松山を過ぎると倒木が増えてきて鬱陶しい箇所もチラホラ.
その度に跨いだり,潜ったり,巻いたり…
しかし意外にもチェーンソーで処理されていたりする倒木もあったりして実は人の往来は多いことが伺える.

中には断面が割と新しいものも!!
聖岳が見えた!!登り返しグロくて笑う

2600mくらいからは森林限界.ハイマツは深い所で人の胸くらいの高さだ.
ハイマツの中にもしっかり踏み跡もあって見落とさない限り苦労してハイマツ漕ぎをすることもないと思う.

兎平まで来てようやくアルプスな風貌になった.写真奥の台地に見えるのが兎岳だ!風は弱くて10m/sもないくらい.Tシャツ,ミドル,化繊インサレーションでちょうど.

兎岳の三角点まで上がると大パノラマ!北方には南アルプスオールスターズが集結.特に赤石が厳つい.

予定通り,9時前の8:45に兎岳のピークに到着.易老渡から7時間くらいかかった.前夜泊で5時間くらい寝たからいつも感じる眠気も今日はなし!ただハヤタさんは残念なことに睡眠不足と標高差のダブルパンチで軽い高山病に…顔色が悪くかなり辛そうだった.

兎岳~聖岳

兎岳避難小屋の前で長めに休憩.太陽が出てポカポカ陽気で軽く目を閉じると最高に気持ち良すぎた(笑)

気付いたら40分くらい休憩してしまった(笑)

眼前には今回の標的聖岳が立ちはだかる.ほぼ壁(笑).登り返しが400mもあるけどだからこそのこの景色.ワイはそんな登り返しも好きやで♡だから南はやめれんのよなぁ!!

聖岳だけじゃなくて対岸の赤石岳もすごい.この「山」を渡り歩く感はここにしかないんよ.

聖兎のコルから始まる急登.まあ1時間くらいで登れたらいいかな~

所々雪も残っていた.今回6本爪を持って行くか迷ったけど置いてきただけに慎重に…事前の下調べでは残雪はないって聞いてたぞ?

バックには兎岳.
眼前にはマンダムな聖岳.
ラストスパートよん!!
長かった笠松尾根もしっかり一望.

んでもってトップ!!ちょうど12:00着でした.

下山

赤石ちゃんにはお別れして先を急ぐ.頂上を踏んだら急に帰りたくなってきた(笑).できたら16:00までには降りたい.

下山はストックを持ってきたこともあって爆速.富士山は1.5hとかで降りたし3時間で標高落として,1時間林道歩きという計算.GUCCIさんは18:00着と予想.

駆けていく♪
振り返るとまた一味違った厳つさの聖岳.この急登登ってもしんどそう
40分で薊畑

樹林帯に入ってもペースはそのまま.当然笠松尾根よりもしっかりしてて快適.

予想通り3時間で西沢渡まで降りて来れた!!
渡渉用のロープウェイは紐を引くのがだるすぎて渡渉することにした(笑)
水量は多いものの浅い箇所を探して渡れば問題なくいけた.

最後は無心で林道を流して…

ゴー―――ル!!!

お疲れやまでした!!!

終わり

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