2020.1.13
そういや紀伊半島はよく行くけど冬の紀伊半島の核心部は歩いたことがない.短いハイキングコースだったが小辺路の下見ということで急遽出かけることに.
概要は以下の通り
・ルート
大股登山口→伯母子峠→伯母子岳→大股登山口(ピストン)
・CT
YAMAP標準CT:5時間10分
標準CT比:0.58
伯母子岳へ
そもそもアクセスの悪い伯母子岳.高野山を経由して登山口を目指すが快走路!とは行かず高野山を過ぎてからというもの細い林道をひた走る.高野山までは比較的快適だった.
あれ?寒すぎん?
気づくと私の手はキンキンに冷えていた…
今年は暖冬とはいっても寒いもんは寒い.全身フル装備で愛車にまたがって来たけどここは標高1000mの峠.普通に0℃は下回ってる.
何やら道も白くなってきた…
これより標高は上がらないし朝方さえクリアすれば多分帰りには通れるっ…!路面は凍結一歩手前みたいな感じで霜が降りただけみたいなところもあって意外とトラクションも効くのでゆっくり2速くらいで突破した.
登山口に到着する前に撤退を余儀なくされるところだった…
狙い通り恐怖のホワイトロードはところどころあるだけだった.多分暖冬じゃなかったら来れていない.恐怖と戦ってる間にいつの間にか奈良県,野迫川村に入った.
それにしても景色最高過ぎないか?雲海が有名らしく春と秋の朝方に見られることが多いんだとか.
もうバイクに乗ってると手が寒すぎてここがゴールでいいんじゃないかとさえ思い始めてきた…
クライムオン
今回は大股登山口から.高野龍神スカイラインの稜線から登るルートもあるけど冬季閉鎖であえなく断念.どのみちバイクは危なすぎるけどね…
登山口は車が4台ほどおける無料駐車場がある上,さすが世界遺産の路とあってかめちゃめちゃキレイな水洗トイレも完備されている.何気に便座が熱々で不覚にも感動してしまった.
ちょっとした集落の合間の坂道を縫って登山口に取りつく.そんなに距離も獲得標高もないし余裕っしょ!
登り始めて萱小屋跡あたりで雪がちらほら出てきた.昨晩降ってくれたらしい.けど陽に当たるとすぐ溶けちゃうな…積雪は2cmほど.
道はずっとこんな感じ.林道みたいな道が延々と続く.勾配もほとんどない.よくよく考えるとここは小辺路.昔の人が使ってた道路と考えるとその広さや勾配にも納得.
それにしても光量が少なくてなんとなく寂しい.いや,寂しいけどこんな道もまた悪くない.こんなマイナーな山でも先行者は何人かいるようでトレースが付いてる.
伯母子岳の主稜線をトラバースするように周回する.植生が変わって広葉樹林になった途端明るくなった!夏に来るとまた違うだろうな.
頂上付近にある避難小屋とトイレ.やはりトイレは冬季使用不可となっている.
やはり稜線に乗ると景色が一変.林道みたいな道は歩きやすいけどこうでなくちゃ!雪は吹き溜まりで10cm程だろうか.暖冬の割にまあまあ頑張ってくれた方かな.
頂上からの展望は悪くない!さすがに紀伊半島のど真ん中にある山なだけある.遠くには高野龍神スカイラインのごまさんスカイタワーも見える.ただ風は冷たくて正直長居はしたくなかった.頂上の岩陰でカップラーメンを作る猛者のおっちゃんもいたけど速攻で退散することに.
帰りは来た道をただ戻る.行きは気づかなかったけど実はずっと伯母子岳は見えていた!こんもりした丘のようなやつがその本体だったよう.
意外な絶景
帰る時間には朝の恐怖のホワイトロードは思った通り消えていた.朝は気が付かなかったが峠にはところどころ開けた箇所が何か所かあって隠れた絶好の写真スポットだった.正直伯母子岳よりも峠からの景色が良かったとは口が裂けても言えない事案である…遠くには雪をまとった大峰山脈が鎮座して私を見送ってくれているようだった.
せっかく通り道にある高野山を素通りして帰るのはもったいない気がして奥の院にも立ち寄る.休日というのに人が少なくここも厳かかつ寂しい雰囲気が漂っている.一度雪の奥の院を撮ってみたいがいつになることやら…
光量が少ないとどことなく寂しい山行となるがこれもまた冬の醍醐味と言えるだろう.久しぶりに中々の渋さが光る山に出会えて良かった.
終わり