【紀伊半島一周】和歌山の奥深さに酔いしれるライド(3days)

2018.4.28~30

大学に入って二年目の春.今回は一浪していた友人Dがこの春ようやく大学に受かったというので,高校の山岳部の馴染みで久々に集まって紀伊半島一周でもやろうという話になった.

メンバーは私とリッキー,そしてDの3人.

ルートは和歌山駅から紀伊長島駅の海岸線沿いを走る国道42号をひたすら走るシンプルなもの.

実に総距離331㎞.

みんな体力が落ちているであろうことを考慮して,行程も二泊三日にして余裕をもたせた.

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~追記~

この頃はログを取っていなかったので後にグーグルマップにてKMLデータを作成後,GPXデータに変換したものを載せてみた.ログは緯度,経度,標高,スタートとゴールの日時の情報しかいれていないので経過時間はいい加減になっている.

目次

1日目(和歌山駅~白良浜):114㎞

久しぶりに和歌山にやってきた.大阪に住んでいた頃はことある毎に愛車を転がしに来ていたが,最近ではえらく遠い場所になってしまった.今回は昔温めていた紀伊半島一周の計画をようやく実行できて,いつになく高揚している.

さっさと輪行を解除し,ペダルを回し始める.

交通量の多い冷水

5月を目前にして天気もよく汗ばむ陽気だ.風も比較的弱くさして問題ないが,海南までは信号も多く,しょっちゅう止められるので軽く流すのが正解.というかロードバイク自体最近全く乗っていなかったので感覚が鈍い…

有田市の有田大橋.

海岸線の街並みに限った話だが,有田まで来るとようやく和歌山感がでてくる.というのも海南までは大阪の雰囲気が若干残った街並みが続く.しかし海南と有田の間の峠を越えるとみかん畑が一面に広がり,ようやく異国にやってきたと思えるのだ.

友人リックとはここ有田で待ち合わせをすることになっているのでしばらく有田川を眺めながら補給をしながら時間を潰す.

しばらく待っていると

リッキー「エバーグリーンまで来た.どこおる?」

と連絡が入ったので直行する.

???????

私「原付で来たんかい!!!」

話を聞くとチャリはしんどいし,原付で後ろから付いてくるとのこと.せっかくなので持ってきたテントなんかを持ってもらうことにした.

それにしてもロードバイクと原付の組み合わせって前代未聞よな(笑)

御坊市,日高川にて.

合流してからはペースも上げていく.和歌山は街の造りとして街と街の間は峠になっていてアップダウンも激しい.さらに南北を貫く道路は国道42号のみなので当然車も多い.自転車に乗るには中々過酷な環境ではあるが,山深い峠を越えると春の太陽でキラキラと光る海が顔を出したり,素朴な山間の集落や漁港があったりと景色には飽きない.

今回は時間の都合上パスしたが有田から御坊までの海岸線は秘境感があってオススメだ.和歌山の良さの詰め合わせを短時間・短距離で体験できるので時間に限られた方は是非下のルートを走ってみて欲しい.また詳細は別の記事を書こうと思う.

切目崎の海岸

和歌山の真ん中に位置する街・御坊を過ぎるとまた一段と「和歌山度」は増してくる.国道も海の側を走るようになり,自然と足を止め,立ち止まる回数は多くなる.

どこまで走って幕営するか特に考えていなかったがひとまず夕焼けを白浜で見るという目標だけ立てて南下することに.

リックが原付に乗っているということもあるので,風よけとして前を走ってもらいスピードアップ作戦を慣行.これが気持ちいいくらいにペダルが軽くなって,一気に距離を稼ぐことができた.

江津良浜にて夕日を眺める

白浜に到着したのは日没ギリギリだった.海に落ちていく太陽を見ながらどこにテントを張ろうか相談していると地元のおっちゃんがやってきてこう助言してくれた.

「暗なってからこっそり白良浜にテント張って朝そっこうで出たらええやん」

なるほど.その手があった!ここは地元のおっちゃんのアドバイスに甘えさせてもらうことにした.

円月島

2日目(白良浜~道の駅なち):123㎞

翌日,起床とともに速攻でテントを撤収.きめ細やかな砂のお陰か爆睡できて,気持ちのいい朝だ.朝が早いこともあって人もほとんどいない.

流石,観光地のビーチ.水の透明度が素晴らしい.和歌山のビーチといえば白良浜というのが一般的だけど,自分で穴場のビーチを見つけてみたいものよ.

白良浜を後にし,朝風呂に入るべく「崎の湯」へ.

ここの温泉がまた最高で…

波が打ち寄せる岩礁きわきわに据えられたロケーション最高の露天風呂.海にボートでも浮かべたら丸見え.それくらいの開放感がある.

時間さえあれば外湯巡りしてみるのも面白いに違いない!

千畳敷

とりあえず白浜の有名どころは抑えておく.千畳敷や三段壁は白浜が拠点だから有名だけど,実はこういう景観は探せば日本各地にある.そういうマイナーな所を攻められるのも旅の良さだなと.

例えばここ,志賀海岸はオススメだ.

白浜よりもマイナーで地形が楽しい場所は走っているとすぐに見つかった.幾重にも重なる地層が露出していて見て楽しい,探検して楽しい場所だ.道の駅も併設されていて駐車場にも困らない.

やはり和歌山のポテンシャルの高さは侮れない!山も海も川もあってアウトドアを愛する人なら虜になることは間違いないです.私が保証します(笑)

ようやく友人Dがやってきた.まさかの一日遅れで参戦することになった.彼のスタートは周参見駅.そして乗り物はクロスバイク.みんな違う乗り物なのは流石に笑う.

みんな違ってみんないい(笑)

旅も佳境へ.白浜を出てからはアップダウンが激しい道が永遠と続く.Dにとっていきなりこれはきっとしんどかっただろう(笑)

しかし道の厳つさとは裏腹に景色は素晴らしい.どこを切り取っても絵になる道なのは確かだ.

目を引く岩礁が出てきたと思えば峠を越えるときれいなビーチがあったりと.しかし補給地点は限られており,コンビニはおろか自販機すらない.

確実に紀伊半島の最深部まで詰めてきていることが肌でわかる.

本州最南端の潮岬を捉えた.今回の旅の目的地だ.旅人は端っこに弱い.こういう場所は必ず通らなければならないようにプログラミングされている(笑)

突端にて記念撮影.皆なんやかんや疲労困憊である(笑)

太陽が傾き始めていたが今日も野営する場所は決まってない.ひとまず那智まで行ってみることになった.

串本のスーパーで買い出しを済ませ,橋杭岩を通る頃には日は落ちかけていた.どことなく寂しい雰囲気が漂っている.

よくよく考えれば別に那智まで行かずここらで野宿すれば良かったのだが妙に那智まで行くことが使命かのように頭の中で渦巻いていていた.これが私の良くない所だなと…

ひたすら那智を目指す
だんだんと闇に包まれていく

辺りが暗くなったときトラブルは突然起きた.Dが転倒してしまったのだ.幸い大した怪我は負わなかったが,彼の愛車のホイールがぶれてしまった.

那智は目の前だったのでだましだましで暗闇の中進み,目星を付けていた海岸(道の駅なち)に到着することができた.

道の駅なち

しかしDの戦意は喪失してしまい,彼の愛車もこのまま先に進めるような状態ではなかったので明日一番の電車で離脱することになってしまった.このことは今でも申し訳なく思っている.

3日目(道の駅なち~紀伊長浜駅):94㎞

最終日.今日も晴れてくれた.一晩眠ると,意外にもDの表情もすがすがしかった.

不本意ではあったが彼とはここで別れ私たちはゴールを目指す.残りは100㎞足らずだったので一日目と同じようにYに原付で風よけになってもらい,ガシガシ進む.

紀伊半島の東側は西側と違って目を引くような見どころも少なかったので立ち止まることも少なかった.

しかし七里御浜は素晴らしく,砂浜が長々と続いてる様は圧巻であった.これはあまり日本では見られないと思う.

そこから先は消化試合.と言っても尾鷲に至るまで国道42号は様相を変え,山岳地帯へと突入した.私は三日目でようやくロードの感覚を取り戻してきたので意外にも楽しくこの山道を走れた.

そして昼前にはゴール地点に設定した紀伊長島駅に到着!Yとはここでお別れで,長い道のりを原付で帰っていった.

噂通り紀伊半島はアップダウンが激しかったが,その分景色も秀麗で楽しめる道が続いていたので言うことはない.きっと志摩半島も楽しいはずなのでいつかこの先の道をつなげたいところ(笑)

終わり