【レビュー】山スキーにウィペットはダブルが実質必須装備と思う件【Black Diamond】

山スキーをするにあたってぶちあたるのが、「ピッケルを持っていくかどうか悩むという問題」、だと思う。まず、基本的にシビアなルートを選択しない限り、ピッケルが活躍する山スキーというのはかなり限られていると言っても良い。特にパウダーシーズンには森林限界近辺まで行かない限りほとんど必要ない。

ウィペットはどこでも連れて行きたい頼もしい相棒だ。
パウダーシーズンに限ってはお守りの役割という意味合いが大きい。

ウィペットの活躍する局面

しかし春が近づくにつれて山の様子は一変。往々にしてシールでは登れないコンディションの山にかち合う確率がグッと高くなる。当然足元はアイゼンを履く。そうなると手元は?

ここでウィペットの登場である。基本的に歩行においてはバランスと推力のためにもストックを持ちたい。しかし傾斜が強い所、トラバースのある所、雪面がカチカチな所等でスッとピックを突き立てられる。この安心感は他にあるだろうか、いやないだろう。

鳴沢岳(4月)
西穂高岳(4月)

また、滑走時において雪面状況が読めない際は横滑りや斜滑降で一発様子を見る、なんてこともある。そういった場合でも手元にピックがあるというのは精神的マージンを設けるという意味でもかなり役に立つ。
もちろん転倒時の自傷リスクも考慮しないといけない。そのため私は滑走時はウィペットに手を通さず使っている。はたまたリスクが低い際はプロテクターを付けて滑るようにしている。

杓子岳北東ルンゼにドロップする直前

さらに時には急斜面の樹林帯をキックターンで登っていくとき、急斜面をもがきながらラッセルするとき、シールを効かせにくいとき、ウィペットを持っていると木に引っ掛けるようにして登っていくこともできる。

急斜面の樹林帯は時として絶望するくらいハードだ。
蝶槍手前にて(3月)

さらに付け加えるなら、個人的にはシールハイク時にストックはステッキのように手元で持つことが多い。その点ウィペットはステッキのような持ち方ができるし力が入れやすい。これに代わるスキーポールは存在しない。

ウィペットの弱点

しかし万能なように思えるウィペットでもピッケルような滑落停止が難しいこと、シビアな登攀には向かないこという弱点がある。そのため本当にシビアな所に行く際はダブルウィペットではなくダブルアックスが良いと思っている。しかし私のポリシーとしてダブルアックスが必要なら撤退でも良いのでこれが良い線引きかもしれない。(ダブルアックスでも状況が読めない時はダブルウィペットに加えてピッケル1本を装備しておくこともある。)

とはいえ、ダブルウィペットであれば大体の場合、ほとんどの山に対応できることが多く特段不都合も感じていないというのが率直な感想だ。

杓子岳にて(3月)
水晶岳にて(5月)

ちなみに先端だけにしたウィペットをお守り代わりとして持っていき使用したこともある。先端だけにした途端不安で仕方のない代物だったので二度としないと心に誓った。重くても大人しくお守りには丸ごとかピッケルを持っていこう。

残雪期はどこまで雪渓が残るか分からない
南岳にて(6月)
初冬のうちも何気に侮れないので十分注意しよう
鹿島槍ヶ岳にて(10月)

残念ことにウィペットは高額だ…

今回、ウィペットが他に代わりが全く効かないギアであることを紹介した。しかしウィペットは何せ高額なのが一番のネックかもしれない。

惜しむべくは、私が使用しているトラバースWR2がブラックダイヤモンドが廃版となってしまったこと。一セットで4万円と(ウィペットに比べれば)安価にウィペットの機能を享受できたのに今やカーボンウィペットとエクスペディション3Pウィペットポールしかレパートリーにないのが現状だ。今後復刻してくれることを切に願うばかりである。

毎年どんどん高くなる一方なので迷った今が買い時であることは付け加えておこう。

トラバースWR2の再販に期待

終わり

この記事が良ければポチッといいねを押して頂けるとブログ運営の励みになります!