2020.5.29-30
目次
概要
今回は初めての中央アルプス.実は中央アルプスは今まで登ったことがなく漠然と千畳敷カールのイメージしかなかったが,登り甲斐のあるルートがいくらでもあること知って参戦に至った.アクセスも良好で関西から一番近いアルプスと言っても過言ではないと思う.
今回はゆとりを持たせて泊装備.宿泊は木曽殿山荘の冬季小屋を使わせて頂いた.テントは持たずに寝袋とマットのみ.今思うと冬季小屋が満員御礼だった場合,その辺でビバークするかぁと浅はかな考えを持ち合わせていたことが恥ずかしい.まあ最悪下山したらいいだけではあるが…
木曽谷側,伊那谷側いずれからも登れる空木岳は今回は無駄のない周回ルートで歩くことに.おかわりで一日目に熊沢岳まで散歩したりもした.
天気がもう少し良ければ最高だったが今回は良くて高曇り程度.やや光量不足な山行となってしまったのでこの辺りはまた時期を改めて再訪したいと思っている.
詳細
伊奈川ダム→木曽殿山荘
1日目
いつも通り,金曜の晩に出て少し仮眠し,日の出と共に出発.仮眠できる時間の有無で後々しんどさが全然違うのでできるだけ仮眠はしたい派.
どうやら以前まで入れたはずの伊奈川ダム奥の駐車場まで入れなくなっているらしく,ゲート手前の路肩に駐車した.恐らく車が止められるのは3台が限界.
そして今回から先輩のハヤタさんも参戦.ほぼ初めての山が時期もルートもマイナーなアルプスで少し心配.しかし無事に頭のネジがぶっ飛んだ山行を受け入れてもらえた(笑).やはりベースの基礎体力があれば初めての山行は何でもいいものだと再認識.しかし当人はかなり心配だったらしく,事前の下調べや装備やら水やらの相談は念入りに行った.
今回とて林道歩きから始まる.MTBなら余裕で麓の登山口まで乗っていけると思う.ロードはしんどい.
エメラルドグリーンの伊奈川ダムを横眼に.
最初の林道歩きがボチボチ長い.途中で謎の原付に追い抜かれる事案もあったりした(笑).
うさぎ平からはようやく登山道が始まる.一息つく間もないような登りが始まる.
6合目.どうやらこの北沢にかかる吊り橋は流されたらしく,増水時には渡れないとのこと.21年7月までに人の手が入るとのこと.(大桑村観光協会HPより)
樹林帯を我慢して登る.誰ともすれ違わず聞こえるのは自分達の吐息だけ.「自分達しかいない」ってなんて素晴らしいんやろう.しかしおっさん達の屁が後続の私に何度も直撃して辛い…
終盤になって展望が開けて空木岳が.空に木と書いてうつぎ.これは初見では読めないですわ.下調べの時に,そらき岳?からき岳?って混乱したもん…
木曾義仲の力水は水量豊富.下から頑張って水を荷揚げたGUCCIさんはすこぶる残念そう(笑).
標高2500近くでこれだけ水が汲めるのはほんと有難い.
程なく木曽殿山荘に到着.水場からも割と近くて至れり尽くせり.冬季小屋に荷物を置いてほっと一息できた.
木曽殿山荘⇔熊沢岳
時刻はお昼前.このまま山荘付近でゴロゴロしても暇なので熊沢岳まで散歩に出かけることにした.チクちゃんは一人山荘に残ってゆっくりするとのこと.
光量が少なく,割と暗い雰囲気ではあったがガスらずにかなり視界は開けてて悪くない!
アップダウンはあるけど苦しい登り返しなんかはなく楽しいご機嫌な稜線歩き♪
と思っていたら木曽谷から案の定ガスが上がってきた(笑).
伊那谷はうって変わって晴れているのが恨めしい.山はガスって街は晴れってやつだ.
まあとりあえず熊沢岳で記念撮影.ちなみに敢えてここまで来たのには理由があって,後々の山行で稜線を繋げやすくするという意味もあったのだ!
帰りはゼブラ模様の空木岳を正面に.挙句の果てには本営の雪雲までやってきて雪が舞い始める始末.当然粉雪でもなくべちゃべちゃのみぞれ.遠くに雷鳴も聞こえてちょっと焦った.
とはいえすぐにガスも雪もなくなってくれた♡
帰ってきた.ちなみに往復ざっくり180分くらいだった.
山荘へ帰って来ると早くも晩飯の時間.めいめいがコーヒーを淹れたり,パスタやら米やらを炊いたりと自由な時間が流れる.残念なことにハヤタさんはパスタの調理に失敗してニチャニチャの小麦粉の物体を生成してしまい,悶えながら胃に流し込んでいた(笑).
その日はまた夕方からガスってしまったらしく星も夜景も期待できないので飯を食ったらさっさと寝てしまった.
木曽殿山荘→空木岳
2日目
夜明けと共に出発.残念なことに東の空は爆焼け.残酷にも真っピンクで美しい山並みを朝から拝めた.しかし朝焼けかぁ…いつまで天気が持つのやら…と幸先は悪い(笑).
お世話になった冬季小屋を後にする.中々良い立地だった.
んで朝からいきなりの400m近く登る急登からスタート.エンジンがかかるまではボチボチしんどいものの標高が高い所で寝たお陰か高山特有の空気の薄さは感じず快適.
東面には残雪が多く残ってるものの,登山道上は雪もなく全く問題ない.…とこの時は思っていた(笑).
特に苦もなく空木岳山頂!
南駒ケ岳→越百山~下山~
続いて南駒ケ岳へ.早くもガスがちらほらと湧いてくる.
赤梛山と南駒ケ岳の鞍部から擂鉢窪カールを横眼に.
ズドンとそびえる南駒ケ岳.わんぱくなGUCCIさんとハヤタさんは頂上まで走っていってしまったけど私は写真を撮りつつマイペースで(笑).
空木岳に負けず劣らずしっかり高い.山容も秀逸やしもっと有名になってもいいんじゃないかと思った.
南駒ケ岳までは良かった.ただ続いて向かう仙涯嶺へ降下する道沿いに嫌らしい残雪が出現!!
うーーーーーん…
どうにか残雪を踏まずに歩ける道を模索したもののここを突破しないことには先には進めない.
メンバー4人の装備は軽アイゼン×4,ピッケル×2.
ピッケルがないと降りるのはかなりしんどいような勾配の斜面を下る必要があり,私が先陣を切ってステップを作って突破するということになった.
まあ平たく言うと装備不良である(笑).まあ無理だったら北沢尾根で帰ることもできるのであがいてみることにしたのだ.
残雪はピッケルで掘るにはちょうどいい硬さではあったが,一段一段ステップを刻むのに時間が解けていってもどかしかった.
そして残雪の急斜面が終わったかと思いきや続くは楽しい?ハイマツ漕ぎ.
優に身長を超え2mくらいあるハイマツの中をもがきながら進む.降りていく分には枝に乗ってさえいれば顔は出る.しかし一度枝に弾き飛ばされたり踏み外したりすると埋まってドツボにハマる.必死になってハイマツを漕いで登山道に復帰した時は謎の達成感を味わえた(笑).
ところがハイマツ漕ぎの代償は大きくハヤタさんは外付けにしていたマット,私は右足の軽アイゼンとテムレスがしらんまに藪に消えていた…
意気消沈しながらも目の前に槍のような風貌の仙涯嶺はなんとなくメンタル的にきつかった(笑).
とはいえ見た目だましで幸いにもこちらに残雪はなくサクサク進めた.
頂上は不愛想な看板だけ.思ったよりも時間を消費し,時刻は10時.
とうとう雨が降ってきて修行と行進と化してしまった(笑).
幸いもう登りはないのであとは越百山を経由して帰るだけ.
この顔である(笑).雨でカッパ内が蒸れて不快でただただ帰りたかった(笑).
トラブルなく降りれると思いきやまさかのGUCCIさんがランナーズニーを発症してしまい,珍しく苦しい下山となってしまった.
終わり