【レビュー】Rho LT Zip Neckが冬のベースレイヤーには力不足な件【ARC’TERYX】

目次

購入に至るまで

ベースレイヤーってのは難しくて奥が深い.

よくよく考えてみれば行動中に一番着る機会が多いのはダウンジャケットでもなければレインウェアでもない.はたまたソフトシェルでもない.そう,ベースレイヤーは着ている機会と時間が断トツで長いのである.ならばそこにお金をかけないのは勿体ないのでは?となったのが最近の心境である.では今まで使っていた私にとってのベースレイヤーが何だったのかと言えば…

ナイキのジャージである…!!!しかもこれに至っては6~7年くらい着ているのだから私の山人生とともに苦楽を共にしたウェアと言っても良い.汎用的なジャージだったが軽量,速乾で藪に突撃して多少破れても悲しまない使い勝手の良さが心地良かった.

しかしそろそろ新しいベースレイヤーが欲しいと思い,各社色々探していたのだが思いのほかラインナップは少ない.今までのレイヤリングは肌の上にはFinetrackのドライレイヤーかMilletのアミアミを着て,その上に速乾Tシャツ,ナイキのジャージ…と続いていたのだが,特に冬季の山だとTシャツ&ナイキのジャージではなんか違う.重ね着しすぎると上半身が動きずらい原因にもなるので,機能を併せ持つような一着が欲しかった.色々悩んだ結果,浮上したのはアークテリクスのローLT Zip Neck.こういったウェアはやはり着てみないと分からないことが多いので今回レビューしてみることにした.

スペックとサイズ感

スペック

・サイズ:S~XXL
・重量:225g(実測224g)
・価格:14,300円(税込み)

快適さはベースレイヤーから始まります.気温の低い日に行う低負荷のアクティビティのパフォーマンスをサポートするローLTジップネックは,暖かさを逃さず湿気だけを追い出し,しかも心地よい肌ざわり.Torrent™素材は起毛仕上げで保温効果と快適さを提供し,Polygiene®加工で防臭効果も備えています.生地の性能を最大限に引き出し,レイヤリングもしやすいトリムフィットは,着脱が簡単な深めのフロントジッパーを採用.胸ポケットにはスマートフォンを安全に収納でき,トールカラーが保温性を高めます.

トリムフィットには,スマートフォンが入るサイズに変更したジッパー付きの胸ポケットを配し,さらに快適にアップデートしました.

アークテリクス公式HPより引用

サイズ感

身長172cm,体重58kgの痩せ型の私はSサイズを選択.衝撃な程ジャストフィットして気持ちがいい.生地もかなり伸びる素材なので突っ張り感も皆無.着心地としては申し分ない.袖口はかなり絞ってあるので腕まくりしたらすぐに伸びてしまいそうなので注意しよう.また,初めはジップネックに慣れていなかったのでフルジッパーである方がいいと思っていたが,思いのほか下までジッパーが下がってくれたので特に不自由はしなかった.

皆子山にて(11月)

使用感

重量

重量はSサイズで実測224g.他の類似品と比べてもそこまで軽量という訳ではない.しかしその差も微々たるもの.常に身に付けているものでもあるのであまり気にしなくてもいいかもしれない.

ポケット

ケータイは確かに胸ポケットにジャストフィットするように作られているようだ.しかしながらこのウェアが肌に近いベースレイヤーという特性上,ケータイを入れて歩くと違和感しかないのであまり実用的なポケットではないだろう.個人的には省略してコストダウンして欲しかったかもしれない.精々ポケットに入れるのはマスクくらいかな?

ジッパーは目立ちにくいものが採用されている.

裏地

裏地はこんな感じで起毛しているが毛足は短く毛玉はできにくそうな素材感.運動していない状態だと薄さの割に驚くほど暖かい.下手するとこれより分厚いトレーナーなんかを着るよりも温かいと思う.しかしながら運動時となると話は別.アンダーにミレーのアミアミを着用した上で気温5℃くらいの里山を駆けまわったところ,汗をべっしょりかいてしまった.当然この起毛素材が汗を吸うのだが,なかなか乾いてくれない.アミアミを着ていても汗をかくとかなり寒かった.

まとめ

今までアークテリクスの作るものなら間違いないと思っていたが,それは大きな間違いだった.ウェア単体の造り込みは一流で特に着用感は完璧なのだが,気温の低い時に汗を大量にかくようなアクティビティにこのRho LT Zip Neckを着るには速乾性という点でやや力不足だった.晩秋の里山でトレランで寒いのに,大量に汗が出るラッセルなんかではとても怖くて着れない.

確かに公式HPの説明には「気温の低い日に行う低負荷のアクティビティのパフォーマンスをサポートする」とあるのである意味性能通りとも言える(笑).正直かなり残念だったが街用のお洋服として着るにはかなり温かいので使い方次第だろう.次は大人しくFinetrackのメリノスピンサーモでも試してみようと思う.

武奈ヶ岳にて(11月)

終わり

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