【知床半島一周】3日目~秘境の知床岬へ到達!!~(4days)

2021.8.4~7

概要

知床半島一周3日目.この日はウトロ側の海岸歩きを終わらせ,折り返し地点の知床岬に到達,あわよくば羅臼側まで行程を進めるのが目標だ.この日も恵まれて快晴.またもや汗が噴き出る暑い中での行軍となった.道中はこれまでと違って岩礁歩きが多く,始めて余裕を持って,微笑んでくれた知床を思う存分満喫できた.これは3日目で食糧が減って,荷物が軽くなったというのも大きいかもしれない.さらには朝一にカラフトマスを拝めたりと非常に満足度が高い1日になった.

距離  :15.8km

移動時間:10h53min

合計距離: 71364 m
最高点の標高: 349 m
最低点の標高: -8 m
累積標高(上り): 2143 m
累積標高(下り): -2383 m
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詳細

カラフトマスを釣り上げよ!

知床半島一周3日目.今日も朝から体の節々が痛い.渋々テントから出ると今日もまた快晴のようだ.ここまでずっと天気が素晴らしく文句の付けようのない旅を楽しめている.

C2の番屋跡を後にする

実はこの知床半島一周を敢行するにあたって私たちは達成しておきたい目的があった.

それはカラフトマス!!

今日はラッキーなことに昨日水を汲んだオキッチウシ川の河口で巨大で力強い背びれがうじゃうじゃ見えた.

kyoニキ「時間ないけど釣りあげっぞ!!」

流石生き物屋を名乗るkyoニキ,まさかの2投目でヒット!!私もその引きの強さを体験すべく一瞬竿を持たせてもらったが,その引きの強いこと!!

見事釣り上げたカラフトマスは体長50~60cmだろうか?!知床を語るにあたって外せない生態系の片鱗を垣間見ることができて感激した.

この年は8月上旬で遡上してきた第一陣たちがちらほらと羅臼で釣り上げられたという報告があったものの,まだピークではない中でこのミラクルは最高だった!後から知床財団の方に話を聞くとこのオキッチウシ川はマス・サケ共によく遡上される河川として有名であるとともに,ヒグマの頻出地帯としても有名とのこと.

時間があれば美味しく頂きたかったが,今回は写真と動画を撮ってリリース.シュッと海に帰って行った.

アウンモイ川周辺の癒しの岩礁歩き

カラフトマスは一匹釣ると魚影が途端に姿を消してしまった.我々が進むにしても未練なく進めるのである意味良かったように思う(笑).興奮が冷めやらぬまま,レタラワタラの岩礁帯を通過し,先へ進む.

この辺りから急に歩きやすくなり,サクサク進めて気持ちがいい.私はこの日もサワタビは諦めてアプローチシューズで入水することを決め,そのままシューズでジャブジャブと歩く.

岩礁帯にはこうしたプールがぽっかり口を開けていてうっかり落ちないように注意だ.

イタシュベワタラの番屋に到着.ちなみにここまで数多く登場した〇〇ワタラのワタラとはアイヌ語で「岩」を表しているらしい.

番屋で景気よく流れっぱなしの沢水を給水!!今日も朝から早々に暑くてもはや泳ぎ区間を待ち望んでいるほどであった(笑).

イタシュベワタラの番屋.後ろを振り返って見るたびによく歩いたなと我ながら思う.

イタシュベワタラを過ぎるとお待ちかねの泳ぎ区間が登場.慣れた手つきでホイホイと準備できるようになっていて驚く.ちなみに一眼レフやスマホ等の電子機器はこのウォータープルーフタンクにぶっこんで携帯していた.浸水は皆無で夜にはフードコンテナ代わりになるのでオススメです(笑).元気商会で買えます.

3日目の初泳ぎは5mの水路を渡る.生乾きと汗で気持ち悪かったウェットにフレッシュな水が入ってきて気持ちいい!!知床のひんやりした海水が火照った体にまとわりつく感覚はクセになりそう(笑).

そこからまた短い泳ぎが一本とへつりをこなすと,アウンモイ川が流れる浜が見えてきた.

アウンモイ川近くにてまた休憩しておく.3日目で体の不調を騙し騙しで歩いているからか,思いのほかスタミナが長続きしないのと,暑くてすぐに脱水になるので意識的に休むようにしていた.3日目の補給食にアンパンを食べる.5個入って100円ちょっとのコスパ最強アンパンであるが,荷物にもまれまくって袋から取り出すとアンとパンがぐちゃぐちゃに混ざり合って1つに一体化していた…

アウンモイ川を過ぎると複雑に入り組んだ入り江区間に突入する.昨日の打ち合わせではここが地形図的に山場になるだろうと話していたものの,やはりここも岩礁帯続きでかなりの区間を歩いて行けて拍子抜け.

入り江では岬を回ってきた方々に遭遇.昨日蛸岩の泳ぎ区間でもカヤックの方たちと会ったりしてやっぱ知床のオンシーズンなんだなと実感.

続いてリゾートのような美しい湾が目に飛び込んできた.どうやらこの美しい湾は海賊湾と呼ばれていてカヤック乗りには有名らしい.

海賊湾は泳ぎ25m程.ザックを浮き輪に乗せて水面に浮かべるのもすっかり慣れてきた.バランスが悪いと横転してしまうのできっちり真ん中にセットするのがポイントだ(笑).

湾内の水は透明度が異常に高く,波も流れも皆無.この一本が知床で一番の泳ぎ区間だったと思う.

美しい湾が広がっていたのはさっきの海賊湾だけで後は快適岩礁歩き.昨日までの辛さは何だったのか…

これまで遭遇してきたのは2~3人のパーティーだったが,なんと大所帯のパーティーとも遭遇した.どうやら知床エクスペディションという団体が主催するカヤックツアーとのこと.プライベートビーチのような空間にテント村が突如として現れてびっくりした(笑).大人数でみんな歴戦の猛者のようなオーラを放っていて流石だなぁと(笑).

猛者たち「どこから来たん?」(関西脳補正)

我々「知床五湖を出発して岬を経て相泊まで行きます!!今日が3日目で,今日のうちに羅臼側まで歩きたいすね~」

猛者たち「大丈夫!大丈夫!羅臼側は歩きやすいし明日にはゴールできるよ!ちゃんと水飲んでるか?カルピスでも飲んで行き!」

我々「?!?!?!ありがとうございます!!」

そんな彼らに何とキンキンに冷えた岩清水で作ったカルピスをご馳走になってしまった(笑).まさか知床まで来て冷えたカルピスを飲めるとは…沁みました!!

軽く談笑して先へ進む.基本熊はこちらがちょっかいさえかけなければ何もしてこないから心配しないでともアドバイスも頂いた.

メガネ岩~獅子岩

ポロモイの番屋はどうやら他の番屋と違って人の気配が.洗濯物を干してあったり,浜と番屋の短い区間を行き来するであろう軽トラが置いてあったりと.こうして人がいる気配というのは絶大な安心感があったんだなぁと再認識.それは山から見下ろす家屋や道路であってもいい.

ポロモイの番屋を過ぎると後は岬までラストスパートだ.ジャブジャブ歩ける岩礁歩きがほとんどで泳ぎらしい泳ぎもない.2~3m程の距離はもはや泳ぎとは言わないっしょ?!基本足首程度の水深で,たまに岩礁と岩礁の割れ目を泳ぐといった具合だ.

海藻が繁茂しているとプールなのか岩礁なのか分からないので確実に歩いて行けるところを選んで歩いて行く.メガネ岩の空洞は歩いて通過.

ここも浅くて歩けます!!最高の景観に息を飲む.

しかし朝から続いた岩礁歩きも飽きてきた.昼頃には着けるかと思っていた文吉港であるが,まだ着かず…時刻は13:30.う~んこれ羅臼側どこまで行けるの??(笑).

獅子岩はたしかにそんな形だ!!
文吉港までもう少し.

文吉港に着いたのは何だかんだで14:30だった.もうここからは台地に上がってウトロ側程の難所や入水もない.ここからは草原地帯ということもあって暑いので着ていたウェットスーツをザックに仕舞う.半袖短パンになって気分も爽快!!

綺麗に整備されていて驚いた.2018年の記録ではここまで綺麗ではなかった.

秘境の知床岬へ

台地へは文吉港の北側の斜面から取り付く.台地と言っても低く,高さ30m程だ.久しぶりに斜面を登ると,あぁ…体にダメージ入ってるなと実感できる程足が重かった(笑).知床に大きなアップダウンはなくて心底良かったなと思う.

台地に上がればそこには秘境が広がっていた.桃源郷だとかユートピアと形容してもいいかもしれない.

観光船からは遠く眺めるだけしかできず,さらに上陸も禁止されている.沖合いを航行する観光船に対しては泳ぎ区間をこなしている時なんかは恨めしさしかなかったが,今は何となく誇らしい気持ちであった.

しかし現実は甘くなく,快適な草原が広がっていると思い込んでいたが,実は草丈がそこそこ伸び切った藪原であった(笑).文吉港で半ズボンになった我々にこれは辛く,生足で藪を歩かざるを得なかった.ビシバシと草が遠慮なく攻撃してきたが今更長ズボンを取り出して履く気力も時間もなかったのでそのまま突っ切ることにした.幸い,獣道のようなかすかな「道」は所々あったのでそれを辿って岬を目指す.

アブラコ湾が見えてきて岬までもうすぐ.GPS頼りで突端へ粛々と歩く.事前の下調べでは知床岬と書かれた看板があったらしいが今は倒れていてどこにあるか定かではないのだそう.仮にあったとしてもこの藪の中から探し出すのはかなり辛いので文字通り地図上の突端を目指して歩くことにした.

アブラコ湾.

そしてようやく突端に到着!!!

浜を歩いているときには永遠と続いているとさえ感じた断崖もここが終着点.計画や装備に時間をかけて遥々やってきたこの知床岬にケリがつけられて清々しく,さらに今までの山行では中々感じたことのない果てしない充実感であった.

口々に「やっと来た.」「長かった…」と呟き感慨に更けていた.

かなり先端の方まで歩いて行ける.
知床岬の形が分かりやすい場所で記念撮影!

名残惜しかったが…この次はまず来ないであろう景色を目に焼き付けて出発する.

時刻は16:00をまわっていたが意外にも焦りはなかった.藪っぽい草原も鬱陶しいとはいえ海岸の石浜とは比べ物にならない速さで歩けるし,後は台地を降りた浜に並ぶアカイワ周辺の番屋群まで歩けばどうにかなるというのがあったからだ.

台地はかなり広大でイマイチどこを歩けばいいか分からなかったが,どうやら崖沿いは道?が比較的明瞭だったので地形に従って進む.夕方ということもあって絶妙な斜光が素晴らしく,絶えず吹き抜けていく風のお陰で全く暑くなくもなくて藪に文句を言いつつも最高だった.

知床岬灯台も姿を現す.

折角の機会なので私は知床岬灯台へも登ることに.kyoニキはとりあえず気力的にパスで下で休んでいるとのこと.荷物を置いて一気に駆け上る.高低差は50mだったがどっから登ればいいか分からずとりあえず笹薮を直登して登った.

知床岬灯台からは言うまでもなく素晴らしい景色.台地を広く見渡せて感無量.写真を撮るだけ撮ってすぐに元来た道を戻る.

しばらく台地を進むと宿泊予定の浜が見えてきた.浜には明瞭な道が付いていたので簡単に降りることができた.今日はこの浜を奥の方まで詰めればゴールだ.

浜に降りるとたまたま鯨類の脊椎骨を発見.こんなものが漂着するのはやはり知床ならではで驚いた.

ずしっと重い鯨類の脊椎骨

アカイワの番屋群には17:45頃に到着.アカイワ川で水を汲み,寝床を探す.運が良い?ことに番屋の一つが完全に廃屋となっていたので今晩はそこで寝ることにした.この日の夕方は風も強く,浜もあまり幕営適地となる場所がなかったので有難かった.この日も飯を食うやいなやすぐに就寝.あいかわらず長い1日であった.

明日は本当にゴールの相泊まで行けるのか?

終わり

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【知床半島一周④】に続く→