富士山Sea To Summit~海抜0mから日本一の頂へ&富士山一周ライド~(3days)

2018.7.14-16

富士登山.それは毎年夏に大勢の人がその頂に立つことを夢見て富士山に押し寄せる恒例行事だ.

普通富士山に登るといえばバスで五合目まで行って初めて歩き始める.

しかしバスで稼いだ2000mを誤魔化して3776mの頂に立つ.

それでいいのか?

そんな訳がない!

海抜0mから人の力で登ってこその富士登山と思ったのがことの始まりである.

詳細

ルートは以下の通り.

合計距離: 251367 m
最高点の標高: 3731 m
最低点の標高: 1 m
累積標高(上り): 6241 m
累積標高(下り): -6242 m
Download file: 2018富士山.gpx

第一章 うだる暑さと富士の広大な裾野

金曜日の夜、私はロードバイクを抱え、静岡駅までやってきた.

一日かけてロードバイクで海から須走五合目まで駆け上がり,二日目に富士山登頂,三日目には富士五湖を回るためだ.

ひとまず輪行を解除し,静岡駅からすぐ近くの海岸に向かう.

夜というのにうだるように暑い.なんやこれ…

この日はテントまで持って来ていたがフライもかけず,蚊帳のような使い方で寝て次の日に備えた.

翌日,空が明るくなってきた頃に起床.朝は多少涼しい.

4:18

彼方には今回の標的・富士山が高々とそびえている.4000m近い標高の独立峰ともなるとその存在感は半端じゃない!関西にもこういうシンボルみたいな山があればいいのに…

さっさとテントの撤収を開始.もはやテントすら要らなかったかも…今思うとテントなしで毎泊ビバークするのが正解でした.

正真正銘の海抜0mからスタート.こういう馬鹿なチャレンジって楽しいよね.けど久しぶりのロードバイクとここ最近の猛暑で心配の方が大きい.

ひとまず海岸線沿いを走り,裾野市から徐々に高度を上げ,御殿場市内に入り,悪名高い富士あざみラインを登った標高2000mが今日のゴールだ.

5:30

程なくして三保の松原に到着.時間帯もあってか車も少なく快適に走って来れた.実は海岸線を長くロードバイクで走ることにした目的はもう一つある.この区間を走ることで三日目の富士五湖周回と合わせて富士山の裾野を一周できるからだ.更には静岡側からの富士山を堪能したかったというのもある.ところが東海道を走って海から富士山を見上げるという計画は儚く潰えてしまった.

そう…この霞具合である…

晴れてはいるけど富士山はいるのかいないのか分からん.

目を凝らすといるけど写真では写らない(笑)

近づけば見えてくるっしょ!と信じてまた走り出す.

7:10 富士川の辺り.

信じて良かった!見えてきたやん!静岡側からそびえ立つ凛々しい富士山を見られて嬉しい反面,今日のゴールの「高さ」にビビり散らしてしまった(笑)

しかも案の定すでに暑い.まだ8時にもなってねえぜ?

久しぶりにロードにまたがった上,湿度が高すぎてどうも調子が上がらない.無駄に重たいテントまで背負ってきたのは明らか間違いだった.アホすぎた…

調子ええやん!

裾野市辺りで愛鷹山を横眼に国道一号線を走っているときまでそう思っていた.ところが御殿場に向かうべく進路を山に向けるとじわじわ地味な登りが確実に効いてくる.

それに加えて昼の意味が分からん暑さ!そんな暑さの中でも休まずにかなりの距離を走ったせいで意識が朦朧としてきた.

これはヤバい!熱中症やん!

たまらずたまたま見つけた御殿場市内を流れる小川に飛び込む.

ひとまず生き返った(笑)

けども完全にオーバーヒートしていたらしくすぐには動けない.

しばらく休むと何とか走れるようにはなった.が,完全にばてた.塩分を取らず,水ばかり飲んでいたのも良くなかった.反省しかない…

15:24

めちゃくちゃ時間をかけて富士あざみラインまでたどり着いたけど,コンディションは最悪…ペダルが重くて重くてしょうがない.時間帯も遅く当たり前だけど自転車乗りは降りてくるばかり.

写真はまだ序盤で大したことはないが中盤からは噂通りの急坂で,坂好きの変態達を呼びよせるに相応しい風格をしている.私もその変態のうちの一人だと思っていた…

17:05

けど今回ばかりはその威圧感に圧倒されっぱなしで足を何回もつきながらも夕方にようやく富士あざみラインの終着点,標高2000mの須走口五合目にたどり着いたが達成感というよりも疲労感しかなかった(笑)

五合目では高校の山岳部の先輩・紀伊原人と合流する約束で,私がゼーハーゼーハーして休んでいるさなか悠々と最終バスでやってきた.

紀伊原人「そんな疲れてて大丈夫かいな?(笑)」

一晩寝て回復させます!(笑)

その日は久しぶりの再会だったが次の日に備え樹海の中で野宿した.標高が高い分気温は丁度よく野宿とはいえ熟睡できた.

第二章 富士山Summitアタック

二日目、夜が明ける前にもぞもぞと動き出す.下からせっせと持ってきた食糧を体に流し込む.ロードバイクと要らない荷物を人目の付かない樹海の中にデポして,富士山保全協力金1000円(入山料)を支払い,クライムオン.

4:16

この時間帯,五合目からスタートする人は少なく静かな山歩きが楽しい.これが吉田ルートだとこうはいかないだろう.

東の空が明るくなってきた.山中湖も見えている.

ここ須走ルートはあえて富士山の山頂でご来光を見なくてもルートのどこからでも太陽を拝めるのが嬉しい.しかもご来光目当てで八合目からゾロゾロと登る登山者たちと登る時間帯をズラスことで快適に歩けるのも素晴らしい.

4:42

赤富士来ました!赤く染まるこの時間帯は短くて儚い分最高だ!

そしてご来光.日の出はいつどこで見ても厳かな気分になる.

4:59

標高を上げると知らぬ間に雲の上.

5:00

よく眠れたので疲れはなく,ハイペースでガシガシと登っていく.紀伊原人も体力がお化けなので行程に全く心配がない.

5:04

小一時間も登ると樹林帯を抜け,火山らしい砂れき帯に突入する.道はよく整備されているので迷う心配もない.

5:28

七合目・太陽館に到着.標高は3000mを越え多少空気の薄さを感じるが特に問題はなく動ける.

6:01

見晴館到着.標高3200m.所々に〇合目の標識があるけどこういう標識は気にしすぎると極端にしんどくなるので気にせず行くよ!

意外と安いんじゃないか?さすが日本一の山って感じだ.

6:11

道は歩きやすいように見えて火山特有の砂れきでグリップが効かない.たまにズルっと滑る曲面もあるので注意が必要だ.

6:26

一定の間隔を開けて登ってくる登山者たち.

6:39 本八合目・トモエ館

ここで吉田ルートと合流し登山者もどっと多くなる.

ご来光を見て降りてきた人.これから山頂にアタックする準備をする人.高山病で座り込む人.中国人.短パンの白人.私も含めた登山者全員が富士山という日本一の高さの山に惹かれて登ってきた現実には驚く.けれど人が多すぎる!次来るときは残雪期だな…

6:50

富士山って思ったより赤いのね!中々自然の色で赤と青の組み合わせってお目にかかれない.

6:52

麓まで続く特大滑り台.これが一面氷だとしたらゾッとする.

(追記)この前配信しながら滑落した人いたけど装備がないとこれは間違いなく落ちますわ…

7:16

標高を上げるにつれて高山病と疲労でしんどそうに歩いている人が多くなってきた.中には道の傍らで座り込んでしまう人も…

高山病だけは高度に慣らす必要があるのでどうしようもないが,単に疲れている人は目線を上にあげて歩くことがオススメだ.ストックを引きずりながら足元だけ見ていては疲れる一方だと思う.

対して私たちは最大酸素摂取量には自信があったからか高山病の兆しすらなくひょいひょいと駆け上ることができた.一応五合目で一晩過ごしたというのも大きいかも.

7:20

もうちょいで稜線だ!五合目から3時間くらいで来れた.

休憩らしい休憩はしていない(笑)

標高の割に時間がかからないのは不思議な感覚だ.

7:27

稜線に上がると心地よい風が吹いていた.見渡す限り絶景!

気温は10℃くらいだろう.地上からは少なくとも20℃くらいは寒いはず.

すぐに上にジャケットを羽織り,日本一の頂・剣ヶ峰へと歩を進める.

7:33

火山に来たらお鉢周りはマスト案件.この違う惑星を探検しているような感覚は火山でしか味わえない.

展望は流石の富士山.雲以外他に遮るものがない.霞んでいるけど槍ケ岳も見えるよ!

これは南アルプスの農鳥岳~間ノ岳~北岳と鳳凰三山かな?

これは後立山連峰.鹿島槍~五竜~唐松~白馬三山の辺りが見えてる.手前は八ヶ岳.

7:53

あれが日本一の頂か!

8:31

ようやく山頂へ!

富士山の山頂は日本一の山の頂にいる感動は特になかったが.それよりも海から3776m登りつめた達成感が圧倒的だった.人を惹きつけてやまないその頂への道は間違いなく海から始まっていた.

ちなみに山頂で写真を撮る順番待ちで30分くらい待ってようやくこの写真を手に入れた.渋滞緩和のためかどこぞの遊園地かのように専属のカメラマンがいて,自分のカメラやスマホを渡すと3枚ほど写真を撮ってくれる.

なんというか…ここまで来て思った.良くも悪くも富士山は見る山だ!

とにかく残雪期に来てもう一度この山本来の静けさを味わないと…

頂上まで来た嬉しさと俗物を見てしまった哀しさがちょうど半分ずつ.そんな複雑な気持ちで山頂を後にした.

8:38

ちなみに火口は残雪期には滑れるらしい.

8:41

日本三大霊山でもある富士山は文化的な側面もあってこういう鳥居を頂上のお鉢に見ると世界文化遺産に登録されたのは納得.この登録理由からも富士山は信仰の対象の山でどちらかというと見る山ということがほのめかされてる…

9:01

お鉢周りもほぼ終わり.一周することで360°見渡せるのは最高だった.そして下山は下山専用ルート・砂走へ.

10:18

写真を撮る間もなく,一瞬で降りてきた.砂走りは飛ばして降りれて楽しいけど靴のソールがめちゃくちゃ削れる!新品の靴で来なくて良かった(笑)今回は履きつぶす予定のランシューで登ったが大正解だった.

11:43

昼になる前に五合目着!下りは2時間程でした.お疲れやま!

ここで紀伊原人とはお別れです.

第三章 富士山周回チャレンジ

とりあえずデポしてあった荷物を回収し,富士あざみラインをダウンヒル.頑張って稼いだ位置エネルギーが失われていく…そして一大仕事を終えて気持ちも軽くなっていく.

昼飯は道の駅・須走でこれ.正直全く味を思い出せない.相当疲れてたんだろな…

道の駅には無料の足湯も併設されていたので有難く使わせて頂いた.これがまたたまらん!体の毒素が抜けていく感覚()

どこまで行こうか特に決めてなかったが篭坂峠を抑えてとりあえず山中湖までやってきた.もうこれ以上今日は進めん…ここらで夜を凌ごう…

以下散歩中に出会った山中湖での日の入りです.

17:48
18:24
19:03
19:24

日が暮れると疲れてすぐに寝てしまった.

むくり.三日目がゆるりと始まる.今日は富士宮まで流すだけだから気が楽だ.

スタートは山中湖から.流石山中湖は標高が高いだけあってめちゃくちゃ涼しい.むしろ肌寒いくらい.

4:49
5:07

けっこう山中湖は自転車乗りに優しく,かなりしっかりした自転車専用道が整備されていて走りやすい.富士山がきれいに見えるところでパッと止まって写真を撮れるのは自転車乗りの特権だと思う.バイクも自由度は高いけれど富士五湖周辺(特に山中湖と河口湖は)思った所で止まれないのでここはやはり自転車一強だ.

5:14

しかも白鳥さんに会えるというおまけつき.最高だ!

6:56

山中湖から河口湖まで.富士吉田市をかすめつつ標高を少し下げる.街の区間は飛ばす区間.富士急を横眼に河口湖に直行する.

(追記)けどゆるキャン△の聖地も所々にあるし富士山と仏閣が同時に撮れる新倉山浅間公園なんかもあって捨てがたい!今回は富士五湖に絞って次回の楽しみに置いておく(笑)

そして湖越しに富士山が見られるように北側を走る.

7:18

西湖に差し掛かる.ここは富士山の見えるポイントが少ないもののその分隠れ家的な安心感があって中々良い.ここも湖の北側をさらーっと流す.

7:51

精進湖.ここはしっかりと湖を一周する.

8:40

最後の湖,本栖湖.ろくに補給せず走ってきたので若干ハンガーノック気味()

やってもた~

山でもそうだけどいつも補給のタイミングが悪くて後悔しがちだ.

こんな状態で迷った挙句本栖湖も一周することに.

林の間から所々覗いてみられる湖面のきらめきはこの湖にしかないなぁと.結果として回って良かった.特に洪庵キャンプ場のあたりは奥深くてオススメ.

富士五湖の周回が終わる頃には富士山はガスの中.これにて私の富士山をなめまわす旅は幕を閉じ,富士宮まで向う.

富士五湖から見る富士山の姿は神々しく、古くから人々の心を鷲掴みにしてきたのも納得.眺めた方が幸せなのか、登った方が幸せなのか.そういうことをよく議論される山であるが、正直まだ決めかねるので次は残雪期に登ってみたい.

終わり