アウトドアは「冒険」してなんぼという話

アウトドアを嗜む方なら冒険家の冒険譚に心躍らない人はいないだろう.私もその一人だ.小さい頃はよく〇〇大陸横断だとか,人跡未踏のピークを狙った話だとか,極地探検だとかのノンフィクションを読み漁ったものだ.今回は雑記としてアウトドアに対する考えを冒険という切り口から記そうと思う.

目次

冒険をしよう

冒険の入り口は玄関を飛び出すことから

冒険というのは個人によって定義が異なるかもしれないが,一般には「定めた目標を達成できるかどうかギリギリの(ある種究極の)アウトドア」だと思っている.極端ではあるが,子供にとっては玄関を出た先の街すら冒険なのだ.

つまりアウトドアを始めたての初心者にとってはフィールドはどこであろうと大して関係ない.

未知の北海道を原付で一周したりもした.これもまた冒険だ.
サロベツ原野にて(9月)

「冒険」の本質はアウトドアを探求することにある?

アウトドアは極めれば極める程,危険な場所や厳しい条件となっていく.これに例外はないだろう.しかし,初心者にとって最初は冒険であったアウトドアも上級者になるにつれて「冒険」ではなくなっていく.良い意味で経験やノウハウが蓄積されると活動の幅が広がるということだ.しかし一方でできることが増えるとその分フィールドにおける「新鮮さ」はほとんどなくなってしまうと言っても過言ではない.

アウトドアにこなれてくると多くの人は現状維持となってしまう.「夏山は行くが冬山は危ないから行かない.」というのが良い例だ.これはある意味,世間一般の常識的な発想だと言える.ここで言いたいのは「登山をするなら冬山に登ろう」という話でない.アウトドアの最終目標が各人どこにあるかということだけだ.

つまりアウトドアが好きな人には2種類いると思っている.自分の殻を破って挑戦し続ける人達と趣味として楽しむ人達だ.

冒険の線引きは人それぞれ.
磐梯山にて(9月)

冒険の楽しさとリスク

冒険というのは何と言っても未知だからこそ楽しい.そこには当然自身を危険に晒すリスクというのも往々にして存在する.それらのリスクをどう回避するのか,どう対処するのか考えることも含めて楽しいのだ.逆にこれらのリスクにまで考えが及ばない場合は技量不足だろう.

そういう意味で冒険というのは常に矛盾を孕んでいる.自身が挑戦するのに見合った技量があるのかないのか…フィールドで死傷者が出るとネットではよく技量不足だと叩かれてしまう光景を目にする.例えそれが熟達者であってもだ.逆に目標を達成してもアウトドアに限った話では偶然達成できてしまうというケースも多い.

改めて自戒としておきたい.

知床では断崖沿いを泳いだ.リスクも高くヒヤヒヤした.
知床半島一周にて(8月)

冒険の方向性

誰もやっていないことをする

誰もやっていないことをするっていうのは本当に難しい.自身に技量がなければそもそも定めた目標も達成できない.しかも地球上では時間が経つにつれて人跡未踏の地はなくなっていく.故に冒険できるフィールドというのはもはや人が容易にたどり着けない辺境の地となることがほとんどだ.こういったフィールドで活躍している人たちを冒険家と言うのだ.

アマチュアの我々が国内で何かできることがあるとすればロック(アイス)クライミングか山スキー,藪山,沢登りくらいしかないかもしれない.なんせニッチなことしかない.

ヤマレコでは人の記録の寄せ集めを地図上に描画する機能がある.

縛りを設ける

一方で冒険には縛りを設けるというやり方もある.あくまでもアマチュアの私たちにとってはこちらが随分とやりやすい.季節や道具に制限を設けることでフィールドの難易度が上がったり,逆にできることが増えたりする.制約があるからこそ楽しいというのはアウトドアの世界でも同じだ.

縛りという話では上の「誰もやっていないことをする」というのも縛りの一つだろう.冒険家という職業ではさらに無補給だとか無酸素だとか生存に関わるような縛りを設定したりすることも多い.

山スキーはかなり縛り要素が強いアウトドアと言えるだろう.
蓮華岳にて(5月)

自身が未知の場所に行く/未知のことに挑戦する

これは先ほどの子供の玄関から先は冒険という話と同じだ.これが一般的に語られる冒険なのかもしれない.これらの中では一番難易度が低く挑戦しやすい冒険だが,どんなことであれ,初めてのことを知る経験には代えがたい.

インドネシア パダル島にて(8月)

まとめ

当然フィールドに出る前というのは下調べを行う.しかし昨今は情報過多で欲しい情報というのは何でも検索できてしまう.

こうなると事前知識が多すぎてフィールドに出ても下調べとの答え合わせのような作業に陥ってしまいかねない.これでは冒険とはとてもじゃないが言えないだろう.

今ではSNSなんかでこれまで注目されて来なかった場所が急に注目され大人気観光地となることがよくある.これはアウトドアの世界でも同じだ.写真に映えて誰もが羨むようなコンテンツはネットに出せばあっという間に食い尽くされてしまう.(そういう意味で当ブログは中々矛盾したことをしているなと感じることが良くあるが,あくまでも活動記録は忘れた頃に見返したり後々自分自身の為に活かしたりするために書いているつもりだ.)

さらに最近ではコロナ禍や戦争の影響もあり,行きたい場所にすら行けないことはもはや常識となってしまった.挑戦できるチャンスを逃すともう次は二度と巡って来ないかもしれない.ロシアなんかはもはや今後当面行けない国となってしまった.樺太を自転車で縦断したりしたかったのだが…

とにかくここで書きたかったのは楽しい冒険ができるフィールドが徐々に少なくなってしまっているということを嘆きたかっただけだ…(笑)

やはり色々可能性がある海外のフィールドは魅力的だ.
ネパール ダンプス村にて(9月)

終わり

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雑記