【レビュー】モンベルのクラッグステッパーを履きつぶしてみて【mont-bell】

モンベルのクラッグステッパー

目次

アウトドアにアプローチシューズという選択

優れた耐久性を備えた全天候型シューズです.岩場へのアプローチやハイキング,自然散策からキャンプまでマルチに活躍します.アッパーには世界最高レベルの防水透湿性を誇るゴアテックスファブリクスを使用し,こすれやすい前足部とかかとを1.6mm厚のスエードレザーで覆うことで,適度な合成と優れた耐摩耗性能を実現.つま先からかかと部分までラバーランドで補強を施すことで,さらに耐久性を高めています.アウトソールは岩場での立ち込みを想定し,かかとの高さとつま先の反りを抑えたフラットな形状に設計しています.

モンベルホームページより引用

この登山靴,結論から言うと一年ちょっとで潰れてしまった.2018年8月から2019年10月までの短い期間だったがログを集計すると山の中だけでも600kmほど歩いていることが分かった.使用強度を考慮すると十分減価償却できたと思う.比較的価格も安いアプローチシューズをマルチに使うという選択は大正解だった.癖の強い靴だったが自身の歩き方を見直すきっかけにもなり,以前から悩まされていた山歩きに伴う膝痛もなくなるほどだった.山の初心者が扱いきるには難しい靴だが雪山などではソールの硬い靴は当たり前なのでいい練習にもなるだろう.そこで履きつぶしたモンベルのクラッグステッパーについてメリット,デメリットについて書いてみる.

クラッグステッパーのここがいい!

高いグリップ力

モンベル自社ソールのトレイルグリッパーは一言でかなり完成度の高いソールだと思う.一般にはビブラムソールなんかが有名でかなり信頼されいるがこのモンベルのトレイルグリッパーもそれと同じくらいよくグリップしてくれる.岩場,土,アスファルト等路面状況に問わず靴を信頼して足捌きできるのは気持ちが良い.ちなみによくグリップするのは反面でそれなりに削れやすいソールであることも認識しておこう.

岩場の安定感

 ソールのグリップ力が高いこともさることながら,ソールが硬いので圧倒的な安定感で岩場をスイスイ進め,アプローチシューズの使命を確実に果たしてくれる.ハイキングコースだけでなく岩場の多い山を攻めるなら最適だと思う.足首の自由度が高いアプローチシューズならではの守備範囲の高さに初めて履いた時には驚かされた.

岩場にはめっぽう強い
早池峰山山頂にて

バイクのシフトチェンジがしやすい

これは誰得情報かもしれないが…靴全体に剛性があり,直感的な操作が可能だった.シフトチェンジはハイカットの登山靴ではやりにくいことやトレランシューズでは柔らかすぎることを考えると荷物に制約のある長期ツーリングで大きく貢献してくれた.ただし,足首が見えてしまうと危ないので着用するズボンには気を付けよう.

クラッグステッパーのここがダメ…

初心者にはオススメできない

 ソールが硬いので町中と同じような歩き方をしていると靴擦れを引き起こすことは必至.私も最初の頃はよく靴擦れを起こしたので歩き方を再考するいい機会になった.ある程度フラットフッティングができているとなんてことはないだろう.またローカットなので足首を捻挫するリスクはハイカットのものに比べ高い.(ある程度歩ける人はローカットの場合,むしろ足首の可動域をハイカットのシューズよりも格段に自由に使えるのでバランスを崩した際のリカバリーがしやすいので問題にはならない.)

靴自体がちょっと重い

剛性という大きな武器を手に入れた代償として靴自体がローカットにも拘らずかなり重い部類.下手すると軽いハイカット登山靴と同等の重さではないだろうか.

靴の乾燥に時間がかかる

 靴自体はゴアッテクスで覆われているため水が浸入することはないが,革が保水してしまうと中々乾かないので連日登山靴を使う山ツーリングでは足元を極力濡らさないよう気をつかった.

朝露に濡れたクラッグステッパー.苗場山山頂にて.
常念岳にて.前日焼岳に登って靴が濡れて乾燥が間に合わず…

クラッグステッパーの最期

クラッグステッパーの最期はソールと本体部に亀裂が入り,のりでは修復不能な状態となってしまった.また中盤ではつま先付近のラバーランドに亀裂も生じていた.

左足.亀裂が入ってしまった.
右足.左足より深刻で水がしみやすい

終わり