【ネパール周遊】Day15~高所ではしゃげる身体に魔改造~(Dzongla→Cho La→Gokyo)【エベレスト街道編】

2023.3.7(火)

今日も朝から快晴.昨夜は賑やかで温かった居間は冷え切っており,宿の親父がスマホで朝からオンマニぺメフム(Om Mani Padme Hum)を流している.後から知ることになるのだが,いわゆる南無阿弥陀仏を繰り返している歌だ(笑).この曲はネパール全土で聞く機会があったし,何とも言えないネパール感を味わえて大好きだ.

朝から炒飯をぶち込み,充電完了だ.充電といえば本来モバイルバッテリーの充電にRs1000が必要だったのだが何故かタダにしてもらえた.あざます!考えるに,昨日ダウンパンツを飛び出た釘で破いてしまったことに負い目を感じているのだろうか.それしか思いつかなかった.

去り際,宿の親父にFacebookはやっていないのかと尋ねてきた.当方あいにくFacebookは嗜んでおらず,InstagramならやっているとIDを渡した.そういやWifiは調子が悪くて使えないと聞いていたのだが(NTCは圏外)宿の関係者はどうやら使えているらしい.どういうことだってばよ…そろそろデジタルデトックスから解放されたいものである.結局いくら山が好きでも現代人は電波なしは生きられないのだ.

今日は格段に冷え込んでおり-5℃しかない.朝一はいつも着込んでスタートするが,こんな寒い朝でも500mも歩けば暑くなって結局薄着になってしまう.結局ダウンパンツは部屋の中でしか活躍しなかった.

難所と聞いているCho La(5420m)に向けて標高をグングン上げていくが雪は一向に出てこない.もう4000m以上の高所に一週間近くもいるので5500mくらいに上がる程度では平地と同じような負荷で登っても高山病にはならない.息は上がるし足は重たいが,やはり山歩きはこれくらい負荷をかけた方が気持ち良い.これなら昨日のうちに通過することもできたなと何度も思った.

グッバイDzongla.次訪れる日はあるのか.毎回噛みしめながらその村を離れる.
朝から峠まで標高差585mもハイキングだ.季節によってはこの辺りまで雪深くなるのだろう.

峠を目前にようやく噂の氷河が出てきた.氷河はカチコチの氷で確かにチェーンアイゼンがないと通過はできない.と言ってもトレースは残ってるし,ルートの目印の鉄棒も等間隔で刺さっている.これなら正直日本の雪渓の方が規模が大きく危ない場所も多いだろう.昨日のチベットの親父が言ってたようにサクサク気持ち良い氷河歩きを20分程こなすと峠に着いてしまった.あまりにも余裕すぎて拍子抜けだ.ただガスったり,30cmくらいの積雪があれば全然違う状況になるだろう.

Cho Laを目指す方は一度白馬岳の大雪渓も行ってみて欲しい.
Namcheで購入したチェーンアイゼンで十分.これなら前爪付きは要らないです.
イージーモードではあるがどこにクレバスがあるか分からないので慎重さは必要.
よっぽどのことがない限り道は外さないでしょう.ガイドは不要.
5420mのCho Laに到着!

Cho Laからは激下りをこなしてNgozumba Glacierを横断しGokyoへ向かう.他の区間とは異なり圧倒的にロッジが少ないからか,トレッカ―も圧倒的に少ない.途中で数名のパーティー一組とスライドしたのみだった.一層荒涼としたトレイルを黙々と進む.電波はなくずっと圏外だ.ここらで迷子になったら発見はかなり遅れてしまうだろう.事前にオフラインマップの準備は必須だ.

峠を越えると途端に風景が一変して新鮮だ.
ご機嫌トレイルで気分が良い.
Cho La攻略の西側の拠点の村Dragnag(4700m)へと繋がる谷筋を下っていく.相変わらず鼻水は止まらない.
Dragnag(4700m)も小さい集落だ.ここもしっかり圏外です.
せっかく持ってきた赤だしを食べていないことに気付いた.直飲.味噌の塩味が身体に染み渡る.
Ngozumba Glacierのモレーンの淵までやってきた.ここからGokyoは見えない.
縦横無尽にウロチョロと砕石の小山のアップダウンを繰り返す.直線距離は短いが横断には想像以上に時間がかかってイライラする.氷河は眺めるのに限ると思った.
Gokyoにたどり着くにはモレーンの崖を登らなければならない.ザレザレで崩れまくるのでCho Laの氷河よりよっぽど危ない.
Gokyoに着く手前でヒマラヤの雷鳥の大群に遭遇.日本のと同じで全く警戒心がない.鶏サイズで大きくなんか美味そうだ.
Gokyo(4790m)が見えてきた.奥にはGokyo Ri(5360m)が見えている.右奥はちなみに8000m峰のCho Oyuだ.
信じられない青さの氷河湖だ.無編集でこれはすごい.青って200色あんねん!

予定通りちょうどお昼にGokyoに到着.まずは宿選びだ.Gokyoはかなり大きい村のはずだが何故か村は静まり返っている.どうやら営業している宿が極端に少ないらしい.やっていそうな宿を数軒覗いたが準備中でやっていないと言われあしらわれてしまった.仕方なく湖畔に面した欧米人で溢れかえるロッジに決定.うーん,こういうパターンて殿様商売であんまり良くないよなぁ.まあ部屋は良かったので良しとしますか.

レイクビューのいいお部屋.
おい~こんなペラペラパンケーキがRs750て信じられるか?!

お昼を食べ終わるとちょうど昼過ぎ.これでは暇なのでGokyo Riにサクッと行って来よう.「Ri」系統のピークは本当に見た目が丘である.とりわけGokyo Riは無数のつづら折りトレースが付いており愚直に標高を稼げる.しっかり気合を入れて登るとなんと1時間で頂上に到着してしまった.もうすっかり平地と同じように動けるようになって嬉しい.丁度頂上付近でガスもモクモク湧いてきたのでガスってくるまで20分程景色を楽しみ,40分で下山.素晴らしい夕活であった.行程的には何日か巻いたのもあって明日はCho Oyuのベースキャンプまで行こうか迷っていたのだがGokyo Riに登るとCho Oyu BCまでは砕石場のような氷河のモレーンの淵を永遠と北上するだけだったので辞めようよ思った.EBC手前のような青々とした氷河が見れれるのなら行こうと思ったがガレザレ氷河はもうお腹いっぱいだ.

明日はこの看板を直進してRenjo Laへ向かう.今日は丘へ向かうので右折.
うーん.登りやすい!
みるみるうちにGokyoが小さくなっていく.
これがこの旅最後に見るエベレストになった.エベレストを見るなら断然Kala Patthar方面のが良い.
ここ数日で慣れてしまったが改めてすごい場所に来てしまったと思う.
頂上から北側を望む.少し山が遠い.本当はCho Oyu BCに行けば良かったかもしれないが連日の似たような絶景で正直十分満足していた.
頂上のたなびく汚いタルチョは味が出て素晴らしい.帰ったらタルチョをお土産に買おう.
帰りにガスのピークに向かうソロのおっちゃん数名とスライド.軽く談笑するも話す内容は日本と全く変わらない.
降りてきた.今日は体を動かせて楽しかった.無限に時間があればこういう場所でリモートワークしたい.

Gokyo Riに登って決心が付いた.明日最後の3pathのRenjo La(5360m)を越えてNamcheまで一気に降りてしまおう.30㎞そここそあるっぽいが,登りならともかく下りなら大丈夫だろう.Gokyoも相変わらず電波は入らなかったが数日前に見たWindyでは天気も万全ではなかった.いつしか文明が恋しくなり,「ホットシャワーとヤクステーキが俺を待っている♪」と思い始めると急に気持ちが軽くなってきた.明日には帰れる.もうボディシート生活とはおさらばだ.そう思いながら眠りについた.

夕食のダルバート.やはり標高が高いとクオリティーは低い.いい加減に飽きてきた.

目次

今日の収支

※Rs1はほぼ1円

・宿(EcoLodge Gokyo):Rs500
・コーヒー×2:Rs400
・パンケーキ:Rs750
・晩飯(ダルバート):Rs900
・朝飯(パンケーキ):Rs750
∑ Rs3300

行動記録

5:30 朝食
6:00 出発
12:00 Gokyo着
13:00-15:00 Gokyo Peak
17:30 晩飯

終わり

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