【ネパール周遊】Day16~文明への回帰!ヤクステーキとホットシャワーを添えて~(Gokyo→Renjo La→Namche)【エベレスト街道編】

2023.3.8(水)

今日はいよいよ下界へ降りる.標高4000m以上での暮らしともお別れだ.もうかなり満足したので未練はない.

今日は長い一日になるので6:00とかなり早めに朝食を注文していたが,峠越えをする人が多いのか既に出発し始めるパーティーもいた.力をつけるため今日も炒飯.と思っていたがここに来てまさかのトラブル.出てきたのは昨日の昼に食べたパンケーキだった.

?!

毎晩朝食に食べるものはしっかり念押ししてから寝るようにしているのだが,恐らく今回は従業員の数も多かったのもあって伝わっていなかったようだ.こんなペラペラのものだけで力が出る訳がない.朝からかなり機嫌が悪かった.ミスを指摘して待つこともできたかもしれないが一からご飯を炊いてからスタートするとどれだけ時間がかかるか想像もつかない.節々にいい加減さが目立つ宿で不愉快だったしさっさと出て行くのが得策だろう.

昨日の昼に食べたパンケーキが出てきた.ミルクティーもないらしく安くて粉っぽいネスレのコーヒーを仕方なく注文した.

会計を済ませたら出発だ.遠くには先行パーティーが何組か見える.ここを通るということは皆3passをこなしてきたのだろうか.前にパーティーがいると自然と頑張ってしまう.GokyoからRenjo Laまでは勾配も緩くほぼハイキングコースということもあり,ガシガシ登っているといつの間にか峠まで来てしまった.朝ということもあって昨日のGokyo Riの時よりはしゃげなかったのは残念だ.

峠からは歩いてきたエベレスト方面の山々とGokyoの集落,そして果てしなく続く帰り道が見えている.何日か前に見たWindyの予報通り朝イチは天気が良かったが,徐々に高曇りっぽい天気に変わってきている.ここ数日では全くなかった傾向だ.長居は無用.できるだけ天気が良いうちに進むのが吉だろう.

Renjo La(5360m)はこの山旅で最後の5000オーバーのチェックポイントであり,3pass最後の峠であったが意外にもそこまで達成感に近いものは感じられなかった.やはり万年雪のない山はネパールでは精々「丘」なのだ.トレッキングピークが6000m以上の山と設定されているように5000mと6000mには明確な違いがあるのではないだろうか…そんなことを考えながらRenjo Laを後にした.

朝は冷え込み湖の表面は一部凍り付いている.
先行パーティーが見える.2パーティーしっかり峠までに追い抜くことができた.
ここまで来ればRenjo Laはもうすぐ.少しRFが難しいかもしれない.
来た道を振り返る.もう高いピークには雲がかかり始めている.さらばだ.
3passシリーズの峠付近はどこも岩山だ.
記念にぱしゃり.
これから降りていく方面.谷筋をひたすら降りていく.
Gokyoへ向かうパーティーとも多くスライドした.

Renjo Laの下りは始めはかなり急だったがある程度下ればまた平坦になってしまった.Renjo LaからNamcheまでの区間は同じ山域でも入山者が少なく,景色もなんとなく寂しい雰囲気だ.足を動かし続ければそのうちNamcheにはつくだろうが,目標の街は当然見えるはずもなく,今日中に辿り着けるのか不安になる.

荷物が軽ければ走っていた.
早めに補給をしよう.カトマンズで買ってきたチョコバーに助けられた.
次第に曇ってきた.寂しい雰囲気は光量が少ないからだろうか.
Renjo La攻略の起点になる集落Lumde(4368m)が見えた.反対側から攻めるにはかなりの標高差で大変そうだ.尚この間他の集落はない.
Lumde以南はポツポツと集落が点在するようになるが営業していそうなロッジは少なそうな雰囲気.Lumdeより下ったMarulurng(4200m)の村では恐らく空いているのは1軒だけだった.
Marulurngで補給.これでRs600.高いが仕方がない.どれだけ時間がかかるのか読めないのですぐに補給できるもので簡単に済ませる.
川床までの距離が近くなった.確実に標高が下がってきている.
お昼すぎになり,ようやくこの谷で一番大きな村のThame(3820m)が見えてきた.なんというかこの谷はチベット的な雰囲気というか,人の営みを濃く感じる集落が多い気がする.EBC界隈は華やかで営利目的の宿が多かったがこちらはそうでもなく序盤で歩いたクラシックルート的な味わいがある.(歩いているだけなので実際は違うかもしれない)
Thameでようやくストゥーパが出てきた.人の生活の象徴であるストゥーパがあると安心する.この山域を歩いた結果,ストゥーパはある意味生活を営む上で余裕がある標高,裏を返せば生活できる限界の高さの指標でもあると感じた.
何度か橋を渡る.渓谷はかなり深くそして長大で,橋がなければとんでもないアップダウンがあったに違いないと容易に想像できる.
徐々に木が生える標高まで降りてきた.空気が濃い.

次第に標高が下がると確実に空気の濃さを感じるようになってきた.今までと同じように空気を吸っているはずだが明らかに出せる出力が違う.これまで以上に力強く足が動く.これはすごい.いくら順応したとはいえ物理的な標高の高さには敵わないのか.

そして標高が下がりNamcheが近くなるとなんと電柱が整備され始めた.これはすごい.ここらの集落の生活の質はかなり良いに違いない.ここ数日完全に圏外だったが山の尾根辺りを歩いているとようやく電波もちょっとずつ入るようになってきた.素晴らしい…電波が久しぶりすぎてしばらくスマホを見ながら歩いてしまう程だった.

Thameを昼過ぎに通過してから今日中にNamcheまで着ける自信が出てきたが,渓谷沿いのトラバース道が次第に樹林帯へと変わり始めるNamche手前の辺りでポツポツと雨がちらつき始めた.急がなければ.シャキシャキ歩いたお陰もあって,雨が本格的に降り始める前にNamcheに到着.文明の街Namcheが見えた時は膝から崩れ落ちそうになった.今日一番の感動であったのは間違いない.

電気に困らない生活.今後標高が高いエリアもインフラが整備されるのだろうか?
岳都のNamcheに帰ってきた.明らかに街の規模が段違い.

宿は結局選ぶ余裕もなく前に滞在した同じロッジに決定.宿の親父は覚えていないようだったがたまたま同じ部屋に案内された.どうにかビシャビシャに濡れる前に辿り着いて本当に良かった.

Namcheでやりたかったことは2つ.ヤクステーキとホットシャワーである.まずは速攻で雨の中,ヤクステーキを食いにステーキハウスへ.これがまた柔らかくて美味いのなんの!山でこんな完成された料理が食べられると思わなかったし久しぶりの「肉」なのだ.しかし実際はヤクではなく水牛の肉であるということをこの時の私は知る由もなく,喜んでヤクの肉だと思って食べていた(笑).

宿に戻ってからは念願のホットシャワー.もう山に入ってからずっと一日二枚のボディシートで頑張ってきた.体を洗える喜びといったらもう筆舌に尽くし難い.水を自由に使えることになんせ感動した.

晩飯を食べ,回復した電波に喜びつつベッドでゴロゴロしながら至福の時間を過ごしていると思いの外疲れていたのか速攻で寝てしまった.

自称「ヤクステーキ」

目次

今日の収支

※Rs1はほぼ1円

・コーラ:Rs300
・スニッカーズ:Rs300
・ヤクステーキ:Rs900
・コーラ:Rs300
・宿(Zamling Guest House):Rs500
・晩飯(チキンカレー):Rs720
・ミルクティー:Rs150
・朝飯(アメリカン):Rs750
・シャワー:Rs550

∑ Rs4470

行動記録

6:00 朝食
6:40 Gokyo発
8:35 Renjo La
10:25 Lumde
10:55 Marulurng
12:20 Thame
14:30 Namche着

終わり

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